雨が好きな女の子
//SE 雨の音
//ダミーヘッド位置・16(左前・遠い)
【由水】
「……んみゅ」
//SE 机の椅子を引く音
【由水】
「……ふわぁ。よく寝た……。ん……誰も居ない。
放課後……? そんなに寝ちゃってたんだ……もう帰らないと」
//SE かばんなどを持って立ち上がる
【由水】
「んな」
【由水】
「……私、一人だと思ってた。
君……どうして、まだ帰ってないの。一人だけで、寝てた私見てたの? ちょっと、ヒク」
【由水】
「……ぁ。日直で……教室の鍵閉めしないといけなかったんだ。
それで……私が寝てたから、起きるのを待ってたの?」
//SE 近づいてくる
//ダミーヘッド位置・1(正面・近い)
【由水】
「ごめん。迷惑かけたね。
それで、ありがとう。君のおかげで、よく眠れた」
【由水】
「私、ちょっとクラスで浮き気味だから。誰も、声かけられなかったんだと思う。
まあ君も、そうなわけだけど。でも、おかげでよく眠れた。嬉しい」
【由水】
「不思議そうな顔してる。どうして?
ごめん。私、あんまり他人が何思ってるか考えるの得意じゃないから。
変なこと言っちゃうことあるんだ。だから、気を悪くさせたら、ごめん」
【由水】
「……君、顔色悪い。もしかして、寝不足なんじゃないの」
【由水】
「うーん。うーん。身体に疲れが溜まってるなら……うーん。でもな」
【由水】
「私、癒やし部だから。今日のお詫びに、身体の疲れ、取ってあげようかなって。
でも。私、気持ち悪いから。あんまりそういうのされたくないかなって」
【由水】
「……君は、私のこと、気持ち悪いって思わないの? そう。変な人だね。まあいいけど。
だったら。……癒やし、してあげようか。癒やし部部室、今日開いてると思うし」
【由水】
「それじゃあ、部室行く? ぁ、その前に職員室に、鍵を返さないとか」
//ダミーヘッド位置・3(右・近い)
//声 ささやき
【由水】
「いっぱい眠らせてくれたお返しに……次は君を、いっぱい眠らせてあげる。
……今日は、雨の音が気持ちいいから。きっと、気持ちよくなれると思うよ」