Track 3

雨空の下駄箱。帰り道

//SE 二人で廊下を歩いている //ダミーヘッド位置・7(左・近い) 【由水】 「…………まだ寝ぼけた顔、してるね。  そんなに……私のマッサージ……良かったの」 【由水】 「……誰かに『癒やし』をするの初めてだったから。  そういう反応されると、少しうれしいね」 【由水】 「ぇ? うん、そう、初めて。ごめん。先に、言ったらよかったね。  ほら。私みたいのに、触られるの、皆、嫌がるかと思って。あんまり、する機会なくて」 【由水】 「だから、今日は……君にマッサージ出来て、いい経験になった。うん。  とっても勉強になったよ。ありがとう」 【由水】 「でも、代わりに外、真っ暗になっちゃったね。  人が居なくて、真っ暗なガッコの廊下って、何だか不思議な感じ」 //SE 足音止まる 【由水】 「ぁ……私の傘…………無い」 【由水】 「え? ほら。傘立て。ここに、傘入れてたのに……。  ビニ傘だから、誰か間違えて、持って行っちゃったのかも」 【由水】 「困ったな。雨、結構強いし。当分やまないみたいだし」 【由水】 「ぇ……? 傘……貸してくれるの? でも、そしたら君、どうするの?  男だから濡れても平気? 性別関係ないと思うけどな」 【由水】 「……うーん」 【由水】 「だったら、一緒に、傘、入れてもらっても良い?  君が、嫌なら良いけど」 【由水】 「私の家、すぐそこだから。うちに送ってくれると……すごく、たすかる。すごく」 【由水】 「……お礼、したかったのに。また君に迷惑かけちゃったね」 【由水】 「ぇ? 迷惑じゃ、ない? それに…………むしろ、嬉しい?」 【由水】 「ん……………………君って、…………変な男の子、だね」