Track 5

Track5(ASMRパート) ;「とおことねんね、しようねぇ(右耳)」

;環境音 秋の山(夜) F.I. ;環境音 焚き火 F.I. ;3/右 「(はふっ、はふっ、ほふっ、ほふっ――ごくっ)」 「あああ。秋のきのこはおいしいねぇ、いいにおいだねぇ」 「人間のつくったもののなかで、とおこ、アルミホイルが一番好きかもしれないよ。 たっぷりやいて、まっ黒焦げにならないの、ほんとにほんとに嬉しいねぇ――あ!」 ;SE 棒で焚き火ガサガサ 「もういい匂いがしてきたねぇ―― よ……っと――――」 ;SE 焚き火からホイルづつみ引き出す ;↓4回繰り返し 「(ふーーーーっ)」 「あちっ、ち、けど――(ふーーーーーっ)――うん。 もてないほどじゃないねぇ、えへへ~」 ;SE ホイル剥き 「ああ、いいかんじ――(くんくん)――いいにおい~。 おいももほくほく、とっても上手にやけたねぇ」 「かわむいて――あちっ! あちちっ! (フーーーっ、ふーーーっ、ふーーーー) 中身は皮よりあついねぇ。うふふぅ、とっても不思議だねぇ」 「(ふーーーっ、ふーーーっ、ふーーーっ) はぁいだんなさん? 『あーーーーーーん』――んっ!」 「(呼吸音)――うふふっ? おいしいい? あははー! それならよかったよぉ――あ」 「うん。とおこもおかえしもらう。 だんなさんの食べかけ、食べさせて?」 「えへへ~ 『あーーーーーーんっ!』――んっ!―― (はむっ――ほふもぐ――ごくんっ)」 「ふぁあ、おいしい。おいももとってもおいしいねぇ。 いっくらだって食べられちゃうねぇ」 「とおこ、あとみっつ食べるねぇ。 だんなさんも、とおこと一緒にたべようねぇ」 ;SE ホイルづつみ引き出す ;↓ * 4回 「(ふーーーーーーっ)」 ;SE ホイル剥く→皮剥く 「(はむっ――ほふっ――むしゃ、むしゃ、むしゃ――ごくんっ)」 「ん~~! ぷぁー! まんぷくだぁ! たくさんたくさん、たべたねぇ。 たくさんたくさん、とーってもおいしかったねぇ」 「だんなさんはおかわり――へいき? もうおなかいっぱい?」 「そっかぁ。それならごちそうさまだねぇ。 『ごちそうさまぁ』――うふふぅ。おいしかったぁ」 「焚き火は、砂をかけて消しとくねぇ」 ;SE 焚き火に砂かけて消化 ;1/前 (マイクに背中) 「ん……(呼吸音)――うん。消えたぁ――ぁ――ぁ――はくしゅんっ!」 ;1/前 (マイク向き) 「わ……いつの間にとっぷりと日がくれてるねぇ。 とおこ、火を消したら、ちょっとさむくなっちゃった」 ;3/右 接近囁き 「ね? だんなさん。とおこ、ぴったりくっついて、あっためてもらってだいじょうぶ?」 ;3/右 「(呼吸音)――わぁい。それじゃあ、ぴたーーーっ。 わ、だんなさんもちょっぴりからだひえてるじゃない。 たいへんたいへん。たいへんだから、いっしょに寝床によこになろ?」 ;SE ベッドに移動→横になる→毛布かぶる ;3/右 「ふぁああ。あったかぁい。とおこね? 人間のつくったもののなかで、毛布がきっと、いっとう好きな気が――あうぅ、そおしたらアルミホイルは二番目だねぇ」 「アルミホイルよりもっとなくらい、毛布はほんとに素敵だよねぇ。 羊の毛が、こおんなぬくぬくあったかなものになるなんて、人間はすごぉくかしこいねぇ。たくさんたくさん工夫するねぇ」 「あったかいねぇ、しあわせだねぇ―― ん……(呼吸音)」 ;以降、ずっとウィスパー 「……うふふっ、だんなさんあくびしたぁ。 もうおねむ? とおこ、じーっってしずかに黙ってるほうがいい?」 「……(呼吸音)――うん――うん――そっかぁ」 「それならとおこ、しずかにしずかに、最近のこと、話すねぇ。最近はねぇ、とおこねぇ、鬼のおともだちができたんだよぉ」 「サキちゃんっていうおともだち。 三吉鬼っていう鬼でねぇ。秋田でむかぁし、カミサマもやってたんだってぇ」 「だからね、とーってもおすもうつよくて、とおこ、ひさしぶりに本気でおすもうとったんだぁ」 「たのしかったなぁ。途中でふって力がぬけて、サキちゃんのこと怒らせちゃったこともあったけど――えへへぇ、そのあとはずーっと、ぜんりょくでしょうぶしてるんだよぉ」 「ほしとりはねぇ。サキちゃんがひゃくとごじゅうとななかい勝ってる、とおこが、ひゃくとごじゅうとよんかい勝ってるの。だからねぇ、いまのところは、サキちゃんの方が強いんだぁ」 「だからとおこ、うーんと稽古しなくちゃダメなの。 それで、だんなさんがこないだ、トラックで運んできてたおっきい石――あれ、稽古につかったらダメかなぁって思うんだけど」 「……うん……うん。わかったぁ。 さざれさん、っていうあやかしに聞いてみたらいいんだね? 稽古につかっていいかどうか」 「さざれさん、とってもきれいなお名前だねぇ。 どんなあやかしさんなのかなぁ」 「とおこ、会うときが楽しみ――あ」 「(呼吸音)……うふふぅ。だんなさん、大きなあくび――ぁ――あ――(大あくび)」 「あうぅ。とおこも大あくびだぁ。 だんなさんのが、うつっちゃったねぇ」 「だけど、しかたないよねぇ。だって、ほら」 「(長い沈黙。しずかーな呼吸音)」 「……獣も、あやかしもきっとぐっすりねむってて。 風と虫とが――ふぁ――こもりうた、うたってくれて」 「(呼吸音)」 「くさはらのお部屋に、干し草のベッド。 天井にはおつきさまといっぱいのいっぱいのおほしさま」 ;3/右 接近囁き 「そうして、となりに――(ちゅっ)―― えへへぇ。だいすきなだんなさんがいて、 (くんくん)だいすきなだんなさんの匂いがして、 あったかでしあわせで、しあわせで」 ;3/右 「こんなに満足してるのに、こんなに安心してるのに―― ふぁ……ねむくらないわけがないよぉ――(大あくび)」 「うん。だねぇ。おやすみなさい。 そろそろねむって、明日の朝には、 えみちゃんたちを、一緒にお迎えにいこうねぇ」 「ね? あのねぇ。 とおこ、おやすみのちゅう。してほしいなぁ」 「(呼吸音)――(優しいキス)……ん……うふふぅ」 「そしたらほんとにおやすみなさい。 とおこ、しずかにねむるねぇ――ふぁ――」 「(寝息)」 「(寝息)」 「(寝息)」 「(寝息)……ん――」 「(寝息)」 「(寝息)」 「(寝息)……ふ……ぁ――ん。」 ;超ウィスパー 「だんなさん寝た? もう、ねむっちゃった?」 ;息を詰めて慎重に様子を伺う 「――(呼吸音)――」 「うふふっ、もうぐっすりだねぇ」 「あの、ね? だんなさん―― とおこ、なかなかいいだせなくて――」 「いままでも、なんかいもとおこ勘違いして―― そのたびに、だんなさんのことがっかりさせて、 とおこも苦しくてかなしくて……さみしくて」 「だから、まだ。ちゃあんとお医者様にかかって、 今度こそ本当にまちがいないって――(呼吸音) ――そうなるまでは、だんなさんにも、ナイショのナイショなんだけど――」 ;SE 身じろぎ ;3/右 接近囁き 「ね? だんなさん。聞こえるかなぁ」 ;SE (お腹を右耳にくっつける。胎児の心音っぽい音) ;3/右 「とおこ、ね? もしかしたら、今度こそ――」 ;3/右 接近囁き 「今度こそ。授かったかも、しれないんだぁ」 「今度こそ――とおこ。 おかあさんになるかもしれないんだぁ」 ;SE 身じろぎ ;3/右 「(呼吸音)」 「(呼吸音)」 「……まだね。わからないことだけど。ふぁ……(小あくび)」 「(呼吸音)」 「わからないから、考えたってしかたないよねぇ。 とおこも、もういっかいねむるねぇ」 ;3/右 接近囁き 「おやすみなさい。とおこの大好きなだんなさま (ちゅっ)」