かかあとうたた寝
;環境音 室内空調+遠くに少し、露天風呂の音
;以降完全ウィスパー(安眠導入)
;3/右(密着)
【かかあ】「(寝ようとしている&旦那を邪魔しないようにする静かな呼吸音 *16)」
【かかあ】「……旦那、もう寝ちゃった? (呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――ふふっ。
寝付きがいいのは、むかしっからずうっとかわらないねぇ」
【かかあ】「一番最初、旦那がカイシャに見習いではいってきたころはさ。
ほーんと、坊やって感じで、たよりなくって……(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)――かわいくて」
【かかあ】「かわいい分、未熟だったけど。
見習いのころは――ほんとにねぇ、今振り返れば信じられないくらいに、失敗もミスも多くて、さ」
【かかあ】「注意されて、叱られて、凹んで。……このこ、カイシャやめちゃうんじゃないの? って、あたしどうしても心配で――(呼吸音)(呼吸音)(呼吸音)」
【かかあ】「社長とかにはさ、『甘やかしすぎ』なぁんて言われたんだよ? あのころ。
だけどあたし、ほっといたら旦那が――ううん、坊やがいなくなっちゃいそうで、怖くて……さ」
【かかあ】「なにからなにまで面倒みたよね。応援をして、励まして。サポートをして、手を引いて――
あたしさ、『かああ』って名前、本当はあんまり好きじゃなかったの。坊やと出会うそれまでは」
【かかあ】「だけど――うん。だけど、なんかね。坊やの面倒みているうちに、坊やのことを支えられる、面倒を見られるだけの経験が、あたしの中にあるってことが嬉しくて…………」
【かかあ】「そうしたら、ね。思い出したの、忘れてたこと。
大旦那――常州電鉄の創業社長が、ロールアウトしたばっかりのあたしに、創業メンバーの列にくわわって、いっぱいいっぱいだったあたしに、静かに聞かせてくれたこと」
【かかあ】「『デハ101専用レイルロオド。君は今日、ここの集った創業メンバーの中では、一番年下の、生まれたてのレイルロオドだ』」
【かかあ】「『けれど、わたしを含めた人間たちは、いずれ必ずこのレールの上から退場していく。
そうしていつか、君が、常州電鉄の最年長になる』」
【かかあ】「『そのときには後進たちを。レールを引き継ぐ者たちを、君が導け。
かくあれかしと願いをこめて、わたしは君に命名しよう』――(静かに大きく息を吸う)」
【かかあ】「『‘かかあ”それが君の名だ。君は、この常州電鉄の母たるレイルロオドになるんだ』――って」
【かかあ】「(静かな呼吸音*12)」
【かかあ】「忘れてたけど、覚えてたのね。回路の一番奥底で。
プレッシャー過ぎて表層に浮かべないようにして、だけれど一番、根本部分で。
だからあたしはあたしになって……坊やのことも、ちゃあんと導いてあげられて――
『あたしはかかあになったんだなぁ』って、すっごくね? 誇らしくって、うれしくて」
【かかあ】「だけれど……だけど――(静かにはにかむ呼吸)*8」
【かかあ】「いつの間にか、ね? 一緒に歩けるようになったね。坊やが旦那に育ってくれて。
どっちが導く、導かれるとか、そういうのじゃなく。
あたしと旦那。同じ視線で、同じ歩幅で――一緒に歩いて……走れてる」
【かかあ】「あたしね? それが、すごくうれしくて、楽しくて。ほんのちょこっと悔しいと気恥ずかしいがまじったみたいな気持ちもあって。トータル、ものすごーーーーーーくしあわせで……(小あくび)」
;どんどん眠くなる
【かかあ】「だからね、ずっと――こんな日が……
ずっと、ずーーっと、続いてほしいと……毎日、毎晩……ん……願っちゃうんだ……」
【かかあ】「時間の流れは……とめられないって……あたし、知っちゃってるけどさ……
だから、こそ……(小あくび)――ふぁ――願わ……ない、では――ん……いられ、なくって――」
【かかあ】「(眠気にそのまま飲まれたい、けどもうちょっと起きてたい呼吸とニュアンス)*16」
【かかあ】「……おやすみ、旦那。ありがとね。
今日一日を、あたしと一緒に過ごしてくれて――
旦那の時間とあたしの時間を、こんなに素敵に、こんなにたのしく――重ねあわせて……くれて――さぁ――」
【かかあ】「ん……ぁ――ふ、あ――(おおあくび)――
ありがと……だんな……ほんとに……だい……すき……ん……(静かな呼吸)*8」
【かかあ】「おやすみ、なさい……
そうして……あし……たも…………(もう寝落ちそうな呼吸 *8)」
【かかあ】「(寝入りばなの浅い呼吸 *8)」
【かかあ】「ん……(ニュアンス多めの入眠呼吸 *8)」
【かかあ】「(普通の寝息*4) 明日も……一緒、に――(普通の寝息 *4)」
【かかあ】「(長くゆっくりした安眠の寝息)*8」
【かかあ】「(安眠寝息)*8」
【かかあ】「(安眠寝息)*8」
【かかあ】「(熟睡寝息)*8」
【かかあ】「(熟睡寝息)*8」