乾杯
バスは、怖いです
みんな乗ったら戻って来ません。
きっとみんな バスに乗ると 生まれ育ったこの地を忘れてしまうんです…
バスは…嫌いです…
…
(そろそろ行こうとする彼に 後ろから抱き着く)
私を一人にしないでください。
私は弱い女です。またあなたと離れ離れになるのは… 耐えられません。
一秒でも長く この身で感じて居たいのです。だからもう どこにも行かないでください…。
(笑われる)
え…わ!
(手を引かれて バスに一歩。)
え?…あっ あ!
(運転手とサムズアップ 扉が閉まり 空き缶をつけたバスが動き出す。)
あ…あ…あ… あ あ あ あ…
(一面に知らない景色が広がり 不安な顔が一気に興味津々に変わる)
わぁぁ…
みんなに 会いに行けるでしょうか
(後部座席に二人で座る)
…飲みますか?
半分こです。
(引っ張られた時に落ちたラムネの噴き出る音が響く 二人ともめっちゃ濡れた)
くふふ くふふふっうふふふふっ!