パート1
おかえり。
今日は帰ってくるの早かったね。
ごはんもう少しでできるよ。 天ぷらとか好きだったよね。
珍しいって、キミがもっと小さいころは私がお母さんの代わりに家事してたんだよ? もう覚えてないか。
キミが職場が近いから私の家に住まわせて……なんて連絡きたときは驚いたけど……。
家賃も折半してくれてるし、家事も手伝ってくれたり助かることばかりで、お姉さんはキミと住み始めて良いことだらけなんだよ。
だからこれくらいはしないと……ってやる気を出してみました。
そろそろかな。
よし。
それに最近元気ないから心配だったんだ。
んー……どうしたの? 何か疲れることでもあったの?
いいから……こういう時はお姉さんの言うことを聞くもんだよ……。
……。
5秒くらいこうやって抱きしめると、気持ちが安らいで辛いこととか疲れも忘れられるみたいだよ。
あっ……でも、恋人とか好きな人とかじゃないとあまり効果がないのかも……。
お姉さんじゃ役不足だったね。
そんなことない?。
ふふっ、それって、お姉さんのこと好きってこと?
なんか私が言わせたみたいになっちゃった。 でも、お世辞でもそう言ってくれると嬉しいな。
こっち来て、もーいっかい、ギュってしてあげる。
ふふふ。
子供のころは何とも思わないことでも、大人になると姉弟でもこういうことするのテレちゃうね。
キミも少し恥ずかしいんだ一緒だね。
私人付き合いが苦手だから、恋人もいないし、気が許せるキミくらいしかこういうことできないよ……。
別に無理してこうしてるんじゃないよ……。
キミのこと本当に心配だから、自然とギュってしたくなっちゃったんだよ。
もう少しこうしてよっか……キミも私のこと抱きしめて。
……。
最初はテレちゃってドキドキしてたけど。
抱きしめられると安心できるね。
目を瞑って身を任せてみて。
……。
すー…すー…すー…すー…すー…すー…すー…すー…すー…。
肩の力が少し抜けた感じがするね。
ね……、私のこと本当に好きなの?
本当の気持ち……聞きたいな。
……。
キミよりお姉さんだもんね、私から言わないといけないね。
私はね……昔から、キミのこと……好きだよ……。
もちろん姉として好きなんだけど、キミみたいな人と結ばれたいなって思ってるんだよ。
ふふ、変なこと聞いちゃったね。顔赤くしてないでお料理運ぶの手伝って。