■パート4
さすがに疲れましたね。汗かいちゃいましたし……少し、休憩しましょう。
はぅ……。
……。
そうだ……!聞きたいことがあったんでした。
あなたは寝袋から出たあと、どうしてたんですか?
ほら、前回寝袋を出たあとです……ですから……別れ際にこっそり連絡先を教え合ったじゃないですか。
私は……さっき言った通り、なんて声をかけていいか分からないままだったんですけど……。
あなたはどうしてたのかなぁーって、気になって……ですね……。
はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……。
ふぅーん……。
あなたも何て話しかけていいか分からなかったんですか。
そして、連絡できないままでいた、と……。
なぁーんだ。私と同じ、だったんですね。
そっか、そっかー……。
別に私のことが嫌いとかではないんですね……嫌われたんじゃないかと思ってました。はぁー、少し、ホッとしました。
……じゃなくて!し、心配してたんです!決してあなたのことが気になっていたからとか好意を持ってるとかじゃなくてですね……!
うーー、違うんです!今のは忘れてください。
……本当は、連絡のひとつでも欲しかったところですが、幸か不幸かまたこうして会えたので良しとします。
えぇ……また会えたんですから……。
まさか前と同じように寝袋に閉じ込められるのは、できれば避けたかったところですが……あははは……。
よく見えてないですが、目の前に顔があると思うと恥ずかしいので……胸を貸してください。
……ふぅ……こっちの方が、少し落ち着けそうです……。
……。
あなたは……目の前に私がいて……恥ずかしくないんですか?
私はあなたのこと嫌いじゃないというか、どちらかと言えば好きな方というか……。
……あ、やっぱりいいです。今の無し。答える必要はまーったくないので、心の中にしまっておいてください。……ふぅ。
……。
こうして、何もしゃべらないと、やっぱり静かなんですね……。
今は、答えを聞くのが怖いんです。
何せここは寝袋、逃げることも隠れることもできないんですから……。
……ん。
だから、しゃ~らーっぷ、ですよ……。
静かにしてください……。
……。
もう少し……このままで……このままがいいです……。
……。