■01
おっ、おお~……あっはは。
泡だらけ~♪
少し待ってって?
ふ~ん?
それで、泡が固まったらまた注いで~……っと。
おぉ~、なるほど~。
良くできてるわね~。
はい。
それじゃ……あたしの二十歳記念!
初めてのビールで、かんぱ~い♪
おっとっと。
どれどれ~?
いただきま~っす……んっ、ずるっ、ずずずずず。
ん~……っごくん。
ふ~む……んむっ、んむっ、んずるるるるぅ……ごくん!
ふっはぁ~♪
あはは、苦~い。
でも……うん。
まぁまぁ美味しいんじゃないかな?
え~?
いいわよ。
だって、カクテルって甘いんでしょ?
果汁たっぷり系の酎ハイも。
なんか、甘いお酒ってあたしのカラーじゃない気がしない?
格好良い系の方がいいな。
ウイスキーとか、ワインとか?
あぁ、ワインよりブランデーかな?
こう、ゆったりとした格好をして、グラスをカランカランって♪
その方が、大人の女って感じがする。
早くないわよ。
二十歳になったんだから、大人でしょ?
だからこうして、お酒の飲めるし~?
んっ、ずる、ずるるる……っごくん。
んん、ふはぁ~♪
うん、イケる。
大丈夫大丈夫、ビールってそんなに酔わないんでしょ?
まぁ、量にはよるでしょうけど……酔っても、泊まっていけばいいし?
……って言うか、今日はもうそのつもりだし。
どーせお母さんは今日も帰ってこないでしょうしね~?
うん。
全然珍しくない。
あたしが大学生になってからは、遠慮なく帰って来ないわ。
仕事が楽しくてしょうがないみたい。
そんなんだから、お父さんと離婚するハメになったのにね~……ま~ったく反省してないわよ、あの人。
あの人呼ばわりで十分よっ。
ここ最近、お父さんと話すことの方が多いくらいだし。
面倒見きれないなら、最初からお父さんに親権渡して欲しかったわ。
あの人、一人で生きてく方が性に合ってると思う……。
あぁ、はいはい。
相変わらずお優しいコトで~。
んっ、んん、ごく、ごくっ、ん~……っずるるるる。
ごっくん……っふぅ~。
よしっ。
次はハイボール飲んでみよ~っと♪
大丈夫だって~……はい、お父さんも?
あー。
こっちは泡立たないのね~……ふむふむ。
ど~れ……ずる、ずるる、ん~っごく。
んっふぅ~……なるほど。
これがウイスキーの味……苦くはないけど、渋い、感じ?
あぁ、本当に渋味があるって言うか、イメージね?
イメージ。
ダンディズム的な意味での渋さって言うか……うーん。
んん~?
ま、よくわかんないけど、あは、ははは♪
ごく、ごく、んん、ずるるるる……っごくん。
っふぅう~……んぁあ~、来る。
酔うって感覚、来た気がする~♪
あぁ~、なるほどね~。
うん。
いい感じいい感じ♪
はいはい、まだ大丈夫だってば。
そういえばお父さん、あんまり飲んでたイメージないもんね~?
今も、あんまり飲まない方?
飲めなくはないわよね?
でも……弱い?
じゃあ、あたしの方が強いかな~?
あははっ……おっと、とっとっと~。
お父さん、フラついてきてる?
んも~、しょうがないなぁ……んっ、んん。
それじゃ、あたしが~。
はい……っと♪
隣で、お酌してあげる~♪
ん~……っと。
いいからいいから、娘の誕生日のお祝い~♪
離婚して、お父さんと会えない日が続いたけど……んっぷ。
こんなに、立派になりましたよ~?
まったく……十八までは、こんなに近くに住んでるってコトさえ教えてくれなかったしさ?
かと思えば、大学入ってからは好きにしろって。
そんなら、高校時代から好きに会わせてもらいたかったわよ……っぷふぅ。
んん、んぅうごくっ、ごくっ、んん、ごくん!
ぷっはぁあ♪
でもま、今幸せだからいっか!
ね~え~?
お父さんも、幸せ?
好きにあたしに会えるようになって~……んん、一緒にお酒まで飲めるようになってさぁ?
幸せよね?
最高の気分?
んふっ、ふふふふふ。
あたしも~……超、幸せぇ~♪
んっ、んんぅ……っちゅ、ちゅぷ。
んっ、んっ、んむんむ、ちゅ、ちゅうちゅう、んっちゅ、うぅん。
んぁあ、お父さんの匂いぃ、んん。
んん、クン、クンクン、んん、んっはぁ~……んっふ、ちゅ、ちゅむ。
ちゅ、ちゅ、ちゅぷちゅぷ、んん、んぅん♪
パ~パ~♪
んふふっ、パパ、大好き~♪
うん?
酔ってない酔ってない。
でも、ちょっとフワフワするから?
なんだか、子供の頃に戻った気分で~……んん、んちゅ、ちゅむん。
ちゅ、ちゅ、ちゅろろろっ。
うっちゅ、ちゅる、じゅるる!
ちゅ、ちゅ、ちゅうちゅう、ちゅぶ、じゅるる。
んむっ、んむっ、うっぷ、ちゅぶぶ、じゅるん!
んん、んっはぁ、はぁ、はぁはぁ……っちゅぶ!
ちゅぱ、ちゅぱ、はぁっ、はぁはぁ……あぁ、パパ、あぁん。
んん、んっちゅ、ちゅぶ、じゅるる!
ふっはぁ~、は~、は~、はぁはぁ……。
キッスぅ、うぅん、お酒の味する~♪
えぇ~?
バースデー記念なんだからぁ、あっふ、んん。
キスしてもいいんでしょ?
んふふ……子供の頃も~、ママに隠れてチューしたし~?
あれぇ?
覚えてないの~?
じゃ~あ~、パパのお嫁さんになるって言う約束も~、覚えてな~い~?
ないの~?
あ~ん、寂しい~♪
あたしは今も、パパのお嫁さんになる気、まんまーん……んっちゅ!
ちゅっちゅっ、ちゅむ、んん、んっちゅ、じゅるる。
ちゅぶ、ちゅるちゅる、じゅるるる……っちゅぶ、んっぷ!
うぶっ、うぶっ、じゅぶじゅぶ、うぅう、じゅぶ、うぶうぶ!
んむっ、んむっ、じゅるじゅる、うぅう、ちゅぅう……っごくん。
ぷふぅう~、んっふ、ふぅふぅ……んふふ。
ね~え?
こうして一緒に、お酒も飲めるようになったんだし~。
それに、もう……パパとは他人なんだから。
結婚、できるわよね~?
ね~え~?
パパだって、あたしと結婚してくれるつもりで、再婚してないんだもんね~……んっふふ。