Track 13

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7【1026文字】クラウディアはわたしの_

先生。こっちです。 お久しぶりですね。いつ以来でしょうか。 あはは❤ ちょっとやってみかったんです。 『母校の学校祭に来た、元教師とOG』とか。 いかにも『数年ぶりの再会』ってシチュエーションじゃありませんか。 実際に離れ離れだったのは数分ですけど。 飲み物ありがとうございます、いただきます❤ ふふ。私もです❤ あれだけ苦労して両想いになれたんですから、もう絶対離れたくないです。 あはは❤ それを言うなら、最終的に寒さとの戦いになった地下書庫での夜明かしも、その苦労リストに加えて下さい。 ……そうだ。苦労したといえば。 来週からプール開きみたいですよ。 でも、今年から選択授業になったらしくて。 卓球と選べるらしいです。 変わっていくんですね。 私みたいな子がいなくなるんだと思うと、ホッとします。 はい。プールが何か? あはは! 私もそう思います❤ プールであんな事になったのに、私たち健全過ぎでしたね。 あの日の事、日記が残ってるので、今でも読み返すんですけど。 なんだかとっても昔の事のように思えます。 あの時はこんな風になれるなんて思ってもみませんでした。 あの頃の私は、自分に自信がなくて。 先生の事を好きな人、全員を敵視して、嫉妬して。 そのうち私は、先生じゃないものをみんな嫌いになる。 どんどん嫌な人間になって、そんな自分に耐えられなくなって、最後には自滅するんだろうと思ってました。 そうですよ? 必死にいい子ぶっていただけで、ものすごく邪悪だったんです。 でも、先生、優しいから。いつも大事にしてくれるから。 私、何も嫌わなくてよくなっちゃった。 いつの間にか、自分の事まで許せるようになっちゃったんです。 だからもし、私をいい子だと言って下さるなら、それは先生がいるからです。 というかやっぱり全然いい子じゃないです。 いい子は学校であんな事しません。ふふふ❤ 大好きです。 先生は私に自由をくれました。 人の目を気にして怯えて。 いつも隅に隠れていた私は、あなたのおかげで、こんなに変わる事ができました。 今は、なんだってできる気がします……特に、先生のためならね❤ あ。そろそろ時間ですね。行きましょうか。 ええ、そうですよ? 他に交通手段ありませんし。 恨むならこの田舎の女子校を恨んで下さい。 先生にはこれから、六年前先生を恐怖のどん底に陥れた呪いのバスに乗っていただきます。 ふふ。何が来たってご安心下さい。 ……これから先、何が現れようと。先生は私が守ります。 だって私は、先生のお嫁さんなんですから❤ ……ね❤

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