■トラック1『サボタージュのお時間です』
//SE ツクツクボウシの鳴き声
//ダミーヘッド位置・15(左・遠い)
【塔子】
「ぉえー……あっつぅ…………」
//SE 土の上を足音
//ダミーヘッド位置・7(左・近い)
【塔子】
「いやぁ……あついっすね……はぁ、お日様が憎い……」
【塔子】
「あーあ。毎日が涼しくてそれなりにジメジメしてなきゃいいのに。
それで空から3億円降ってきて、税務署にバレなきゃいいのに……」
【塔子】
「ね、あなたもそう思いますよね。
人生全部、ダラダラぐったりしてるだけで万事うまくいけばいいっすよね」
【塔子】
「…………って、ところであなた、どちらサン?
見たところ、先輩みたいですが」
【塔子】
「ぁすいません。申し遅れました。
私、田中塔子っていいます。この体育館裏は私のサボりスポットなんで」
【塔子】
「いいとこっすよね、ここ。適度にジメジメしてて涼しくて、
偶に告白とか青春の1ページがコッソリ見れるんスよ」
【塔子】
「……それで先輩は? 今、授業中のはずですけど」
【塔子】
「あ。もしかして休んでるの?
なんか……疲れた顔してますもんね」
【塔子】
「ふぅーん。体中がぐったりして、なんか重いんですか」
【塔子】
「ふむ。……ふぅーむ」
【塔子】
「では先輩。私がマッサージしてあげましょっか。
今だけ特別・無料での特別サービスっす~」
【塔子】
「あ、いや慈善とか優しさではなく、
癒やし部の部室が使いたいんすよね。あそこクーラー効いてるんでー」
【塔子】
「ただサボるためだけに部室使うと、先輩たちに怒られるんスよ。
でも、誰かを癒やすためならしゃーなしということでー。んー。……大義名分的な?」
【塔子】
「あ、ちゃんとマッサージは本気でやるんでー。
ほら、うぃん・うぃんというやつですよー」
【塔子】
「私、けっこううまいんすよ、マッサージ~」
【塔子】
「ってことで、さっさと部室行きましょっか。
これ以上ココに居たら、汗だくになっちゃうぅ……」
//声 ささやき
【塔子】
「ほーら。涼しいトコ行きましょ、先輩」