track6_エピローグ それからの二人
■track6 喫茶店にて
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■ドアの音 (カウベル)
(足音)
■主人公は喫茶店で右側の席に座っている
「おにーさん♪ お待たせしました」
「はーい、真冬ですよ、お兄さんの真冬です。って、これ完全にバカップルですね」
「あ、私の分、注文してくれてたんですね。じゃあえーと、隣座りますね」
■ヒロインの声は、左側から聞こえる
「ん、んっ、はぁ。おいしーです。それで今日はドン引きされるかも知れないお願いごとがあるって聞いたんですけど、なんでしょう?」
「はいはい、声を潜めてですね」
「そ・れ・は、私のほうがごめんなさいっ! いえ~、いきなり家のほうが私の成績不振を理由に軟禁してきまして、成績上がるまではほんっと外にでられなくて。とりあえず、だから」
■ヒロインの声は、左から聞こえる(こそこそ話)
「私の過激な自撮りとか送っておいたじゃないですか。
電話でもエッチなことしましたし、これでもちょっとは寂しくないように気を遣ってたんですよ」
「たーだ、あそこまで煽っておきながら、約束守れなかったのはすみません」
「いえ、今日も家に帰って勉強漬けで。大丈夫です! あと少しだけの辛抱なので!」
■内緒話的に 左から
「そうしたら、お兄さんのたまってたよくぼー、真冬が愛を込めてたっぷり受け止めたり、でなければ処理してあげますからね」
■普通の距離感に戻る
「はい、私いけない子なうえに、愛深い女の子なので。実はこれでも浮気の心配とか毎日してるんですよ。お兄さんが年下の友達と一緒にゲームのオフ会に誘われたりしたときとか」
「えー、私なら相手にするんで、そんなのはないです。私みたいな年上好き絶対にいますよ。それよりお兄さんは大人の女性にはそんなに興味はないんですか?」
「は、はぁ、青春がちゃんとおくれなかったので、その反動でたぶん、私くらいの年か、ちょっと上くらいまでしか?」
「た、たぶんがすごく気になるんですけど」
「ないんですか?」
「じゃあそういうことにしておきます」
「ま、ならそういうことなら、これから私といっぱい青春しましょうね。
あ、あと、お仕事とかで疲れたときも、私素っ気なく見えるときあるかも知れませんけど、心の中ではいつもお兄さんのこと思ってるので、元気づけられるように、頑張りますね」
「えっ、その言葉だけで癒やされるですか?」
「あっ、私も今日はあえてとても嬉しかったです。ふふ、手とか握ったりして」
「あっ、いいですね~旅行。うーん、たぶんいけますよ、うちの両親、すぐ色々なものに感化されちゃうだけなので基本、放任主義なんです。だから、そろそろ無罪放免かな~とは。ていうか、いつも親がリビングで夜まで映画みてるせいで、外でられなかったんですよねー……それがなければ抜け出せてたのに」
「あはは。でも、本当に会えるだけで嬉しいって、いいもんですね。ふふふ」
「え~、私の笑顔見てるだけで元気になれちゃうんですか~、じゃあ、もっと普段からにこにこしてますね」
「はあ、なんですか?」
「私に本当に教えてもらったのは、好きな人が本当に自分を好きでいてくれるって安心感と嬉しさかも知れない、ですか?」
「ふふ、もしそうなら嬉しいです。だって、それが私も欲しかったものだから」
「ふふふ、末永く宜しくお願いします♪」
「あ、そろそろ時間です。はい、最後に……誰も見てないよね」
「お兄さん、あいしてまーす、ちゅっ」
●席をたったのでちょっと真正面から距離をあけて
「ふふ、愛重いキスでした。じゃあ、また連絡しますね、毎日連絡してますけど、今日は特に連絡しますから! あ、通話も絶対しましょうね!」
「ではお兄さん、またでーす! 約束は守りますから~!」
(SE:あしあと トントントン)
(おしまい)