■05.イメージプレイ:メイド
あれから私は、何度も何度もプロデューサーに抱かれた。
無理矢理犯されたことはとても悲しかったけど、
実際にオーディションの数や依頼の本数は目に見えて増えていったのも事実だった。
この人の権限・権力は本物。
言葉巧みの口先だけで全く力の無い奴や、やり捨て目的の業界人じゃない。
見えないところで胸やお尻は揉むわ、リアルな効果音を出す為と偽って声優自身にマイク前でいろんな音その場で出させたりと、かなりセクハラも酷い。
毎日の様に現場や飲み会の後はホテルにも呼ばれてSEXした数はもう数え切れないくらい。
でも、それでも、抱かれたら抱かれた分だけ、リスク以上のリターンが約束されていた。
計らずも枕営業をしてしまった私は、このプロデューサーとの関係を継続したいと思ってしまうには充分なメリットだった。
今この人に嫌われてしまったら、また声仕事の無いバイトメインの生活に戻ってしまう。
それだけは絶対に嫌……そんな惨めな生活だけは……
私は、男に抱かれる行為に、もう慣れてしまっていた。
え、今日はイメージプレイですか?
それはメイド服? メイドキャラになりきってイメプレ、と。
たしかに次の作品はメイドがメインキャラですけど、それの練習も兼ねて……ですか。
しかも口の悪い冷たい生意気ドSロリメイドでお願い……?
(芝居の練習とか言って、ただイメプレでセクハラしたいだけでしょう)
……わかりました。