○プロローグ
アメジスト、闘技場に立つ。
ふう、闘技場に立つのは緊張しますわ。
でもそれも今日でおしまい。
私の最後の犠牲になるのはアナタなんですの?
見るからに危険を感じるミノタウロス……屈強なモンスターが相手だろうと、私は容赦しませんわ。存分に、私の強さを身に沁みるといいわ。
そんな睨まないでくださいまし。
私はアメジスト・レイン。
人間でしたら、私を知らない人間なんていないほど有名な一族の娘なんですの。
この内から溢れる気品でわかりますでしょ?
そう、私は偉大な大富豪のもとに産まれたお嬢様なの。
お父様がちょっと事業で失敗してしまいまして、すこ~しだけ、借金をしてすこ~しの間だけ、お父様に売られているだけですわ。
レイン家はアナタみたいな野蛮な方とは縁遠い人間なんですの。
私を見下ろすなんて、頭が高い。
早くその足を地につけて、私の靴を舐めさせてあげます。それがアナタみたいな野蛮人にはお似合い……と、いいましても、モンスター如きには崇高な人間の言葉なんて、理解できませんよね、ふふっ。
アナタを早く倒して、私はお父様の尻ぬぐいをして差し上げますわ。
闘技場の勝者には夢がありますの。
たしかに、時に殺し合い……時にレイプ、女という性を恨む人も多いこの闘技場ですけど、私には関係ありません。
こんなに簡単にお金を稼げて、私たち上流階級の人間が再び豪華な家庭で暮らせるチャンスがあるんですから!
お父様、お母様、お姉さま、メイド、執事、私はすぐにレイン家を取り戻し、離ればなれにみんなを引き戻すのです。
さあ、いつでも来ていいんですのよ?
私にはバフ魔法があります……力比べでは敵わなくても……屈強な騎士様をも倒せるほどに、自分を強化できますの。
//SE ゴング
始まりましたわ。
いつでもかかってくださいまし!