○プロローグ
洞窟内を歩くレムリア。
よ~し、洞窟の中なら大丈夫だよね。
召喚魔術はさすがに村の近くでやったらあとが大変だし、逃げ道作っちゃったら魔物がどこか行っちゃうもんね。
これもすべて、強くなるためには欠かせないこと。
私、レムリアは一人旅をするために魔術の腕を磨いて、よりいい女になることを宣言するよ!
強くないと危ないって、お師匠様にも旅を禁じられてるもんね。
あ、ううん、旅どころかお外に出るのさえダメって怒られたっけ。
しっか~し、うんと強い魔物を召喚しちゃえばこっちのものだよ。
なんてったって、魔物は長期で召喚しておけるみたいだし、ずっと隣において私のパートナーとして一緒に旅すればいいんだ。
魔物だから守ってくれるし、のびのびと旅が出来そうだね。
ふっふっふ~、今からもう旅が楽しくて仕方がないや。
さて、ここらヘンでいいかな。
足を止め、荷物を置くレムリア。
準備準備っと……杖をおいて、はいっ。
どんな魔物を描こうかなぁ、できれば強くて頼りになって……色々手伝ってくれる子がいいな。
料理とかお着替えの手伝いとか、色々やってもらいたいもん。
私一人じゃコルセットとか着けられないもんね……うんっ、決定かな。ということは、手が多くて便利な魔物ちゃんが必要ってことで。
さあ、始めるよ。
レムリア、魔法陣を描く。
こうして、お、我ながらいい出来の魔法陣のできあがり。
さあ、私の従順な僕よ、ここに集え~~っ!
……え、な、なに、これ……。
魔法陣から、急に煙りが……けほっ、けほっ、ど、どうしたの?!
あっ、なっ、なに……?
ヘンな、ロープみたいなのが足に……キャッ!
レムリア、触手に足を取られる。
やだっ、なにこれ……自分の意思があるみたいに、身体に絡みついてくる……!
や~~~~んっ、もうっ!
そこおっぱいぃっ! ヘンなとこに食い込んじゃだめぇぇっ!
あぅっ、足の自由も奪われて……手にも絡みつかれた……くぅぅっ、どうしよう、これじゃあ逃げられないぃっ!
嘘、でしょ……?
私、もしかして……凶悪なモンスター……出しちゃった……?
あぁぁっ、意識、が……どうして、なくなり、かけて……。
これ……ま、魔法……?
うぅぅ……目が、閉じて……すぅ、すぅ。
レムリア、気を失う。