1.先輩
あー......先輩、先輩、先輩、先輩、私です、先輩、私です。先輩、好き、好き、好き、先輩、ああ先輩、好きです、好き。どうしたらこの想いを、想いを、想いをッ、私のこの、どろどろ、ぐちゅぐちゅ、ぬるぬる、スーパーハイパーウルトラ大好きハートを、先輩に伝えられるのでしょうか。私が先輩を、好きになるのは、もうこれは、世の理とも言うべきこと。常識であり、秩序であり、当然必然歴然の事実。ああ分かった分かった分かりましたハイハイハイ分かりましたよQ&A。先輩のママになればいい。私がね、先輩を、産めばいい(?)私が先輩を孕めばそれは、つまり、つまり、先輩は私の子、私のバブゥ。なんてこと......こんな簡単なことに気がつかなかった......この私が、私が?どうした私、お腹が痛いのか?眠いのか?ああ先輩、憧れの先輩に、体調不良の状態でお話するなんて、無礼極まりない、クソの中のクソです。でもでもでもでも溢れる気持ちは抑えられない。だって恋する乙女だもん。恋占いでお花畑を枯らしてしまうようなお年頃なの。仕方ないじゃない。そうね、きっとそう、だから今すぐお話するの。がんばれ、しもべ優♪よし、さっそく出産交渉をしなければ。フフフフ。私、幸せ。先輩を産めるなんて幸せ。幸福の極み。おてての皺と皺を、あわせてしあ......、......先輩?何か?どうしたました?(?)ちょうどよかった、今からですね、先輩を産もうかと思って、......へ、聴いてました?全部?......きゃあッ、ハズカシッ、ハズカシッ。なんという失態でしょうッ。そうだ、私ったら......先輩と一緒に書類整理をしてる真っ最中でした。すみません、すみませんッ。上の空の青天井だったもので、あはははは~。え、あ、もう終わりましたよ。先輩のお仕事のお手伝いなんてそんな、二秒あれば済みます。そのうち一秒で終わらせてやりますよ。それよりもです、私の独り言を聞いてくださっていたのならば話が早い。先輩、先輩ッ!産ませてください。私に、あなたを、産ませてくださいぜひぜひ。ゼッヒヒヒヒ......♪はーッ、はーッ......♪産ませて、産ませて、認知させてください。先輩は私の子です。いい子いい子。養育費なら任せてください。お父様がきっと出してくださいますから。だから、ほら、キて。今から私の中に入って、そのあと出します。反芻です反芻。やったことないけどきっと出来ます。だって先輩、世の中に100%はないんです。私、先輩に関しては不可能はないって思います。私の技術で足りない分は、財力でなんとかしますから、ご心配無用ですよ。ああもう我慢できない、産ませて、産ませてぇ、先輩にミルクあげなきゃ、あげなきゃ死んじゃうの、信じればミルクだって出ます、出るか出ないかなんて、やってみないと分かんないでしょう?ね?......なんですか、なんなんですか、その冷ややかな視線は、私への試練ですか。めげませんよ、先輩に冷たくされようが無視されようが、私の先輩は先輩なんですから、変わらないものですから、天地が震えても、それは揺るぎませんから。先輩、先輩、先輩、先輩、先輩。はーッ......はーッ......えへ、えへひひひ、やばいやばいやばいやばい、近い、先輩が近い、先輩の空気だ、すーぅううう、はーぁぁぁああ、ァアアアアッ、 ゙オッ ゙ぉ♪ぎもぢぃッ♪先輩の空気ぎもぢぃッ♪死ぬッ♪幸せで死ぬッ♪......ぐ、ふッ、......はぁッ、はぁッ、耐えろ、耐えるのよ私。先輩に近づいただけでこれじゃ、この先思いやられるッ。出産となればもう、きっと四回くらい輪廻転生してしまうッ......。それでは先輩をお待たせしてしまうことに。......くそッ、くそッ、なんて不甲斐無いッ、なんて情けないんだ、私はッ。待っててください先輩ッ、私ッ、私ッ、もっと強くなりますッ。先輩の放つ圧倒的な先輩風に負けませんッ。そしてこれは己との闘いでもあります。明日には先輩を産める身体になりますから。一日だけ待っていてくださいッ。精神統一、瞑想ッ!をッ、今から家に帰ってやりますのでッ。本日は失礼しますッ。ごきげんよう!