6.ああああああああ私がママなんですあああああああああああ
はー......はー......はー......。はー......はー......、......ぅふ。ふふふ♪ふぅう♪せぇんぱぁい。ママ、とっても楽しかったよぅ。先輩もぉ~、たのしかったよ............ネ......?......え?せん......ぱい?どうしてそんな、悲しい顔してるの。ぇ?ぇ、いやあの、ママは幸せだよ?先輩のママとして、先輩を......。へっ、......う、うそじゃない。うそじゃないですよ。私、散々言ったよね、先輩のママだ、って、なのに、まだ信じてないの、どうして。......ぅ、ぁ。ぁぁ、あはは......よく、気づきましたね。そっか、そうだったんだ、......えっちの最中、私そんなこと言ってた......?......ぁーぁーあーあ......。やっちゃったぁ......。あははは......。
なんだろ、経験したことないレベルの賢者モードかな、これ......。何もかも......打ち明けたくなってきた......。先輩。すみません、少し聞いてくださいますか。私、......ご存知の通り、変なファンクラブあるし、クソ親父――父親は理事長で、わがまま言いたい放題なのに、ガチガチに縛られた窮屈な人生送ってます。私、......どう見たって可愛くない。身体も平凡以下、取り柄なんて何もない。所詮は権力に守られただけの成金、いわゆる高等御乞食ってやつですね。先輩、私ね、......すッッッごいド変態なんですよ。性癖が捻じ曲がってて、赤ちゃんプレイ、みたいなのをネットで知って、憧れてました。性欲もですね、もう、狂ってるんじゃないかってくらい強くて、誰にも打ち明けられない、ドロドロの泥みたいな願望を抱えてたんです。実はさっきから......。ねえ、気づいてなかったでしょ?私、この個室で先輩と対面してから、もう、200回くらい絶頂してるんですよ。最後の最後......先輩と一緒にイった時は、かつてないくらい......すごかった。でもね本当に、先輩とお話して、触れ合って、それだけでイっちゃうんです。嬉しすぎて、恋しすぎて、愛しすぎて、もう、身体が悦んじゃうの。その体質を不幸とは思いません。むしろ幸せです。とても気持ち良い絶頂なんです。今日は、それを悟られまいと修行した一か月の成果が出ましたね、ははは。......しもべ優が、こんなド変態なクソ痴女であることがバレたら、きっと親に勘当食らって、家を追い出されてしまいます。だからずっと隠してたんです。かと言って、本当の私を知ってるのは私だけ。なんて悲しい、虚しい人生だろ、かりそめに生きて、何が楽しいのかも分からなかったんです。でも先輩、あなたは......私を、お嬢様という目で見なかった。自覚ないでしょ。私が権力者の娘と承知で、ただの後輩として接してたんです。驚くでしょうが、初めてだったんですよ、そんなこと。誰も彼も、ごますりご機嫌どり、ですわますわのお上品な顔ばかり。そんな中、唯一先輩は......粗暴でした。とっても心地の良い粗暴でした。さらに驚くでしょうが、私、それでコロっと堕ちたんです。あなたにね。ああ、このひとには、全てをさらけ出していいのかもしれない、なんて考えて、そして、日が経つごとに我慢できなくなってきました。先輩へのアプローチ、ひととの距離感が分からない私には、歯止めなんてものはありませんでした。あれが、本来の私です。ああやって、頭のおかしいことしてる時が、いちばん活き活きするんです。たまにこんな賢者モードきますけど。すっごい、気持ち良かったですよ。先輩には不快な思いさせてたかもですね。結局このお話は、ひとと関わるのが下手で、ド変態な欲望を隠しきれない女の、どーーーしようもない......やらかし先生だったっつーわけですよ~。はははは。はぁ......消えたい......本当に......。ただひとりの大切なひとに......大好きなひとに......私、とんでもないことしちゃったなぁ......。えっちしたくて仕方なかったのに、いざ実際にしたら、後悔しかないや。先輩、ごめんなさい。明日からはもう、先輩にも、しもべ優というお嬢様で接しますから。もう、私のうざったい本音に付き合わせませんから。だから先輩も今まで通り、その分け隔てない人柄で平和に生きてください。......ごきげんよう......、さようなら、先輩。..................ふぇ?先輩、今、なんて。ま、ま、また、え、また、してくださるんですか、あんなことを......?お、ぉ、怒ってないんですか、だって、あんなことして、私、......。ッ!!ぇ、え、今、ま、まままま、ママって、言いました......?私を?ママと?呼んでくださるのですか?あッぁ、ぁぁ、ぁ......せんぱ、先輩、ぁぁあぁッ......。ハァアアアアアア先輩先輩先輩先輩せんぱせんぱいぱいッそうですですですあああああああ私がママなんですあああああああああああせんぱああああああああああああああッッッ――――............、......ありがとう、大好き......。(終