Track 6

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6.あふたあ

.....小鳥が......さえずり始めたな。ふふ。今宵は......生まれ落ちてから今日こんにちまでの中、掛け値ねなく......濃い夜だった。貴方は、どうだった......?......ん♪なら、いい......♪ん、どうした?......ああ、そんな事を懸念しているのか。確かに、貴方はひと。私は妖。同じ時を過ごせる者同士ではない。ゆえに、永劫ここにはいられぬ。帰らねばならぬ。そろそろ、化けの皮も剥がれる頃合いだ。でもね。......ひとはどうか知らんが、獣は、受けた恩を生涯忘れぬ。幾度となく巡る季節も、その日を思えば須臾しゅゆの記憶だ。特に、この黒野狐――ナガヌキは、な。だからね、そんなに心配しないで?私、貴方の事......絶対に忘れないから......。絶対に......。......貴方......♪......また、来るね。大好き。......ちゅ♪

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