Track 4

4.変な時ばっかりかっこいいじゃん......。

.....あ、ごめん。こんな夜遅くに。しかもさっき電話したばっかなのに。その、明日も仕事だよね。うん、寝てたんだよね......ごめん。うぅ......。あの......えっと......。......、......怖くなっちゃって。昨日は強がった事言っちゃったけど、本当は僕、生きる事が怖い......。あのね、お兄さんと初めて会って、お別れしたあの日から。何度も学校に行こうって思ったんだ。でも、勇気が出なくて。家で勉強する事が誤魔化しになってた感じ......なの。も、もちろん車関連の夢は嘘じゃないよ。本気で目指してるから。でもそれを叶えるには、まず学校に行かなきゃって。誰に後ろ指差されたって、ちゃんと卒業までしなきゃって。思ってるのに、なのに。お兄さんはイヤな仕事も、休日返上でも会社に通ってるけど。僕は......ここから動けない。なんてダメな奴なんだろって、......。お兄さんと話してると楽しくて、たくさん感情が動いてさ、 5僕とこんな対等に接してくれるひと、まだいるんだって思ったよ。僕を見捨てないでくれるひとがいる。それなら頑張らなきゃ......勇気出さなきゃって。でも、あはは......やっぱり僕は弱いんだ。クソザコは......僕の方だったね。朝日が昇ったら、行かなきゃいけない......のに、ダメ。怖い......。お兄さん......僕......僕......、......、......ふぇ......。ぅ、ぅぅぅ、お兄さん、......お兄さん、お兄さん......。くそぉ......かっこいいじゃん......。変な時ばっかりかっこいいじゃん......。ずるいなあ。世界一ずるい男だね、お兄さん......。でも、うん......お兄さんと一緒なら僕、......頑張れるよ。頼ってばっかりもいけない事だけど、お兄さん......、少しだけ、ほんの少しの間だけ、僕の手を繋いでてほしいんだ......。ん......、ありがとう。......ぁ、あ、いつもひどい事言ってごめんね......?本心から馬鹿にしてるわけじゃないよっ。好きだもん。愛情表現だもん。......お兄さんが大好きなんだもん。......うぅ、こういう話の時のお兄さん、ちっともキモくならないね......。普段からそうしろっての、馬鹿ぁ......。......ほんとに、ありがとう。ごめんね?疲れてるのに、僕の相手してくれて......。うん......おやすみ。......、おやすみ......♪