6.親戚のお姉さん
....ん?こんな時間に......。誰だろう?お兄さんはまだ仕事中なのに......。もしもし?「あ、もしもし。私だよ」え、誰......?「あっご、ごめんいつもの癖で......!私、愛。黒崎愛だよ。久しぶりだね、咲雪くん」ああ、親戚のお姉さんか。......なんで番号知ってんのさ。「長野のお兄さんから聞いて......」あーそうだっ!愛お姉さんってば、お兄さんに僕が車の事好きだってバラした?「へっ!?えっぁ、ぁあ、訊かれたから......、咲雪くんの好きなもの教えてって言われて......それで......、ご、ごめんね......?」ああ、まあ良いんだけど......。......ふーん。お兄さん、そんな事聞いたんだ......。「あはは......。お兄さんから連絡もらって、最近、咲雪くんどうしてるのかなって、私も気になってね」まあまあ元気だよ。お姉さんこそ、今何してるの?「私?大学通ってるんだ」へえ。なんか前より明るくなったね......?恋人でも出来たの?「へっ!?そ、そそそうかな......あは、えっと、うん、まあ、ね」
7ふーん、青春謳歌してるなぁ。「それが聞いてよー。あのひとったら、また私に黙って深夜にポテトなんて食べてさ。ダメだよって言ってるのにさ、全然言う事聞かなくて......」......なんかお姉さん、お母さんみたいになってない?「え?うん、お弁当つくったり、お手洗いついていったり」うわ......いやごめん、そっか。幸せそうで良かったよ、うん。「咲雪くんはそういうひとはいないのかな?好きなひととかさ」えっ?あ、えー、うーん、ど、どうだろね?いないんじゃない?「そうなの?咲雪くんかわい......じゃなくて、かっこいいから!彼女さんとか出来そうなのにね!あはは~」今、可愛いっつったでしょ。聞き逃さなかったよ。あいおねーさーん......。「あわわわわわごめん、ごめんね!もう切るよっ。おじさんおばさんと、お兄さんにもよろしくね!じゃあ、ばいばい!」......ふー。相変わらずおどおどしてんなぁ、お姉さん......。......好きなひと......か......。............、......いるよ、バカ......。