1. プロローグ
ふう──これでようやく終わりかなぁ。
んもう。私がいないと、お部屋の掃除もできないなんて。
キミってば、意外と怠け者さんだよね。
まあ、そういうところも含めて……。
……好き、なんだけどね。くすっ。
周りからは、「紗奈ならもっといい男と付き合えるよ~」なんて言われるけど……。
やっぱり私は、真面目で優しくて、少し抜けてるキミが大好きなの。
一緒にいると、不思議と、とっても落ち着けるし……。
何より、あったかい気持ちになれるんだよね。
付き合ってからだいぶ経つのに、まだ毎日が新鮮で……。
これから先もずっと二人で、一緒にいたいなって……思うの。
……ねえ。このまま、何事もなく大学を卒業できたらさ。
絶対に……ぜ~ったいに、結婚、しようね……?
くすくすっ。な~んて。
ごめんね。こんな話、まだ早いよね。
あぁ、そうだ……。
そんなキミに、一つ聞きたい事があるんだけど、いいかな。
さっき、そこの机を掃除してる時、こんなのを見つけちゃったんだけど。
……未来の旦那さんとして、きちんと説明してもらえるかな。
くすくす。あぁ、目を逸らしちゃだ~め。ほら、見て……?
【■ ↓↓↓ここから右耳↓↓↓ ■】
……こ、れ。同人誌、薄い本ってやつだよね。
キミがアニメや漫画好きのオタク君っていうのは知ってたけど……。
こんなものまで買っているだなんて、私、知らなかったなぁ……♡
それも、普通のえっちな本じゃないよね……?
原作では、主人公と結ばれる運命にある女の子が……♡
わる~い男に♡がぶがぶ~って食べられちゃう内容♡だよね♡
ふふっ……そう、寝取られ本、だよね……?♡
もしかして……キミって、寝取られマゾ、だったの?♡
大好きな女の子が……例えば、私が──……。
キミの彼女である、おっぱいの大きい女子大生、望月紗奈ちゃんが……。
同じキャンパスの、体育会系のこわ~い先輩に言い寄られて……。
アルコール度数のたっかいお酒で酔わされて、ハメられて……♡
一晩中たっぷり犯されて、寝取られちゃう、みたいな……♡
そういうのがだ~いすきな、変態さん、なのかなぁ……?♡
くすくすっ。ううん、幻滅なんてしてないよ。
寧ろ、本当に私達ってお似合いのカップルだなって、思っちゃったの──。
【■ ↑↑↑ここまで右耳↑↑↑ ■】
うん。私にも、キミに隠していた秘密があってね……?
これ……なんだけど、見てもらえるかな。
くすくすっ。そうだよ。私、えっちな裏垢を持ってるの。
脚とか、胸とかの、際どい写真を投稿して……。
男の人達からの反応を集めまくって……。
優越感、自己満足に浸る為の、最低なアカウント。
中には、性的なリプライとかもあって……そういうのを見ると……。
あぁ、私の身体が狙われてるんだって、妄想しちゃって……。
何だか、身体の芯がゾクゾクしちゃうんだ……くすっ……♡
【■ ↓↓↓ここから右耳↓↓↓ ■】
なあに?僕をからかう為の冗談だ~、って思ってるの?
ふふっ。優しいなあ……。
でもね……ごめんなさい、本当に……「私」なんだよ♡
ここ……内腿とか、おっぱいにあるほくろとか……。
この写真なんて……キミから貰ったネックレスが映ってるでしょ。
プロフィールも……私そのものじゃないですか……♡ほら……♡
巨乳女子大生「Sana」……♡21歳、彼氏持ち……♡
大学では「清楚系デカ乳お姫様」って呼ばれてます♡って……♡
……くすくすっ。どうかなぁ。これで信じてくれた?
うん……。ずっと黙っててごめんね。でも、よかったよ。
この裏垢と、寝取られマゾなキミ……相性抜群、だもんね。
自分の彼女が、知らない男達にえっろい目で見られてるだなんて……。
普通の男の子なら嫌がるけど、キミは……嬉しいんだもんね……♡
くす……くすくすっ。
【■ ↑↑↑ここまで右耳↑↑↑ ■】
キミさえよければ……この裏垢について、もっと教えてあげようか?
どんな写真を投稿していて、どんな反応が届いているのか……。
そういうのをたっぷり囁きながら、……おててで♡してあげよっか♡
くすっ♡やん、可愛いなぁ……♡もちろん、い~よ……♡
それじゃあ……早速始めちゃおっか♡くすくすっ……♡