01.~プロローグ~
うう……こんなところに閉じ込められちゃうなんて……失敗しちゃった。
ダンジョンの罠は全部把握してるつもりだったのに、まさか転移の罠があるなんて……
えっ!?そ、そこに誰かいるの……?
きゃっ!い、いきなり剣を向けないでください……な、なにもしませんから!
えっ?お前は誰だ?え、あ、そのぅ……
わ、私の名前はフィリアといいます。種族は乳魔(にゅうま)という淫魔種の一種で……し、知らないですか?おっぱいが大きくて、いつでも母乳が出せることが特徴で……
き、聞いてないですよね。すいません……そ、それで貴方は……?
えっ!?ゆ、勇者!?うそっ……!
ゆ、勇者様がなぜこんなところに閉じ込められているんですか?
……お前が罠に嵌めたんじゃないか……って?
そ、そんなこと決して!私も気づいたらこの部屋に転位させられていたんです!
そもそも、乳魔は戦闘能力は低く、私はその中でも下級の種族で、レベルも3です……その、勇者様のレベルは……80!?
そ、そんなの私じゃ絶対敵わないです!こんな罠に掛けたところで返り討ちにされるだけなんです……し、信じてください!
ほんとに、勇者様に何もするつもりはありませんから、い、命だけは助けてください!
えっ?……危害を加えない魔物には、手は出さない……ですか?
あ、ありがとうございます!……勇者様が優しくてよかった……♪
よく見たらすごくかっこいいし、私タイプかも……♡
い、いえなんでもありません!
そ、そうだ!わ、私も一緒に脱出する手段を考えます!
このダンジョンは昔から私達、淫魔種の住処ですから!何か分かることがあるかもしれません!
うーん……どこにも出口らしきものはないみたいですね……どうしましょうか。
今日はこの場所で寝るしか……勇者様、食事は大丈夫ですか?人間は一日に何回も食事を摂らないと動けないと聞きましたが……
あ、そうです!もし食事がないなら、私のミルクはどうですか?乳魔のミルクは栄養満点なんですよ!
人間なら少し飲めば一日に必要な栄養を十分に取れると、他の乳魔が言っていました!よろしければ……
そ、そうですよね。魔物の母乳なんて怪しくて飲めないですよね。
……もしお腹空いて、仕方がなくなったいつでも言ってくださいね。私、母乳を出すことくらいしかできないので……
今日はもう寝ますか?外は夜くらいの時間でしょうか。人間は夜に寝ないといけないと聞いたことがあります。
えっ?私ですか?淫魔種は夜のほうが元気なんですよ!そろそろ調子が出てきたところで……寝ている間に襲われては困る?
へ、変なことなんてしないですよ!そ、それは勇者様とっても格好いいし、この人の精液はどんな味がするのかなとかちょっと思って……
ああっ!わざわざ結界を張って眠るなんて!何もしないですから~!!