トラック1:オープニング・時間外労働です!
;本編スタート:
;SE:1/正面 メンブレンキーボードの打鍵音
;SE:11/右遠方 ドアチャイム
;5秒ほど無音
;SE:1/正面 メンブレンキーボードの打鍵音
;SE:11/右遠方 インターホン
;5秒ほど無音
;SE:10/右上遠方ドア鍵挿し込み音
;SE:10/ドアの解錠音
;SE:10/ドアの開閉音
;10/右上遠方→11/右遠方→3/右 駆け足で近づきながら
【後輩上司】
「くぉぉぉらぁぁぁ!」
;3/右 通常
【後輩上司】
「なにしてるんですか、あなたは!
チャイム鳴らしたのに、ドアも開けずパソコンに向かって!」
【後輩上司】
「業務終了って言った後にやりそうな顔してたと
思ったら、案の定やってましたね、現行犯ですよ」
;SE:リスナー・メンブレンキーボードの打鍵音
【後輩上司】
「ちょっ、人の話を聞きなさい!
キーボードを打つ、その手を止めなさい!」
;SE 3/右 接近 足音
;SE;リスナー椅子に体重を乗せる音
【後輩上司】
「そうです! そこからドントムーブです!
まったくわたしが来なかったら、
どれくらい作業を続けるつもりだったんですか?」
【後輩上司】
「お隣であり、長年の付き合いであるわたしが
こうしてすぐに様子を見に来れたことに感謝してください。
【後輩上司】
「はい、もう今日の業務は終わりです、上司命令ですよ!」
【後輩上司】
「ん? なんですか、わたしの顔と鍵を交互に見て……」
【後輩上司】
「あっ、どうして合鍵をもってるかですか?
そりゃお隣同士、遊びに行き来するんですから、
今みたいにチャイムで呼んで出てもらうのは面倒でしょ?」
【後輩上司】
「ん? 意味が分からない? 意味が分からないのはこっちですよ。
さて、この時間までどのぐらい仕事したんですか?」
;1行目で3/右→4/右後ろ→5/真後ろ→6/左後ろ→7/左と移動しながらセリフを
【後輩上司】
「ふーむ……ふーむ……ふむ。
会社で明日やるよう頼んだグラフや数字が付け足されてますね」
;7/左 通常
【後輩上司】
「まったく……仕事熱心だこと。
わたしはあなたのような真面目な部下を持てて嬉しいです……」
【後輩上司】
「…………なんていうと思いますか。
今のは完全に嫌味ですから、勘違いしないでくださいね」
【後輩上司】
「いいですか? これ以上、あなたが仕事を続けようなら、
わたしもこうさせてもらいます……」
;7/左 接近
【後輩上司】
「(軽く息を吹きかけ)」
;SE:リスナー身じろぎ、椅子が揺れる音
;7/左 通常
【後輩上司】
「ふふ、ビックリしましたね。
でも、今のは、いい罰になりましたね」
【後輩上司】
「いいですか? 物事にはメリハリというものがあるんです。
業務後はしっかり休む。それも立派な業務、社会人の務めです。
なのに、あなたは上司の命令を無視してる」
;「あなたの上司は……」から7/左→6/左後ろ→5/真後ろ→4/右後ろ→3/右へと移動を始める。
【後輩上司】
「いいですか? あなたの上司は……いったい誰でしょうか?」
;3/右 接近 囁き
【後輩上司】
「そう……わ・た・し・です」
;3/通常 少しうざい言い方で
【後輩上司】
「このわたし。あなたの可憐で見眼麗しい後輩であるわたし。
でも、あなたの上司であるのも、そのわたし」
【後輩上司】
「となれば、部下の暴走を止めるのも……このわたし!
ほら! ネタは上がってるんだ! 今すぐわたしのいうことをきけ」
【後輩上司】
「いいですか? 今からあなたがやるべきことは三つ!
1に休憩。2に休憩……そして、3は……」
;3/右 接近 囁き
【後輩上司】
「や・す・め・こ・ら! です」
;3/右 通常
【後輩上司】
「わかりました? ……むっ? なんですか?
その顔は? ダメったら、ダメですからね!」
;5秒無音
【後輩上司】
「はぁ~そんな顔してもダメですよ……
って、言っても、素直に休めないのが先輩ですもんね」
【後輩上司】
「わかりました。ならば上司たるわたしが、
あなたが心から休まるようひと肌脱いであげましょう」