トラック8:あなたへの思い
;このトラックから徐々に安眠誘導強める意識です
;メリハリ強弱等、声を張らずゆったりと演技して
;いただけますと幸いです。
;SE:16/左上遠方 雨の音(継続)
;SE:1/正面 頭を撫でる音
【後輩上司】
「(1分間息遣い)」
【後輩上司】
「……雨すごくなってきましたね」
【後輩上司】
「でも、この音好きなんですよ……
おまけに、先輩は……わたしに髪を撫でられて……」
【後輩上司】
「(30秒間ほど息遣い)」
【後輩上司】
「ふふ、極上気分ですね」
【後輩上司】
「けれど……昔も……こんなこと……ありましたよね……」
【後輩上司】
「(10秒ほど息遣い)」
【後輩上司】
「……部活のとき……。
今の季節と比べて……まだまだ暑い夏のとき……」
【後輩上司】
「(15秒ほど息遣い)」
【後輩上司】
「……熱中症で具合が悪くなった先輩が……
日陰で……休んでなさいって先生に注意されて……」
【後輩上司】
「それでも……無理を押し通して……
先輩ってば、強引に大丈夫なフリをしちゃって……」
【後輩上司】
「でも……みんなから見れば、顔色が悪くて……
それで……結局、わたしがこうしてあげましたよね……」
;SE:頭をゆっくり撫でる音
【後輩上司】
「(15秒ほど息遣い)」
【後輩上司】
「あれから……みんなとは連絡はとってませんが……」
【後輩上司】
「こんなに長くいるのは……先輩くらいなものです……」
【後輩上司】
「……まあ……一時期的には……離れちゃいましたけどね……」
【後輩上司】
「だから……わたしの部下になったときは……正直驚いたんですよ……」
【後輩上司】
「わたしたち同じ学部ですしね……
就く仕事も……だいたい決まっちゃうじゃないですか……」
【後輩上司】
「会えるかなぐらいには……思ってましたけど……。
まさかまさかの立場が逆になっちゃいましたね……ふふ」
【後輩上司】
「でも……そういう頑張り屋なあなただからこそ……
わたしはずっとあなたを……支えたいです……」
【後輩上司】
「あなたが無理しないように……
もっとこうしてあげられるように……あなたの傍で……」
【後輩上司】
「あっ……勘違いしないでくださいね。
支えるのは……先輩がより仕事しやすい環境……って意味ですからね……」
【後輩上司】
「なんてたって、わたしは……先輩の上司ですからね……ふふ」
;SE:頭をゆっくり撫でる音
【後輩上司】
「(30秒ほど息遣い)」
【後輩上司】
「ねぇ、先輩……今日頑張ってたのって……
この前のプレゼンが……うまくいかなくて……
悔しかったからですよね……」
【後輩上司】
「でも、あれ……ちゃーんと結果は……出せてるんですよ……」
【後輩上司】
「実は今回のプレゼン……先輩が来る前から……
もう……担当が決まってたんです……」
【後輩上司】
「でも、先輩が……プレゼンの発表に出たから……
みんな、驚いちゃったんですよ……」
【後輩上司】
「でも……内容もよくて……
次は……あなたに任せたいって……
みんな……信頼してるんです……」
【後輩上司】
「上の人も……あなたを採用してよかった……って、
言ってました……」
【後輩上司】
「本当は早く言いたかったんですけど……
わたしも時間がなくて、言えなかったんです……」
【後輩上司】
「これは……部下に気遣えなかったわたしの責任……
すぐに言ってあげられなくて……ごめんなさい」
;SE:リスナー 身じろぐ音
【後輩上司】
「なんですか? 上司に気遣うなんて……
くす、本当に優しいですね……
でも……これは先輩が掴んだチャンスです……」
【後輩上司】
「だけど……今日みたいに、無理して……
自分のやりたいことができないのは……
もっと残念だと、わたしは思いますよ……」
【後輩上司】
「だから……たまにはこうして休みましょう……
頑張ってるですもん……罰なんてわたしが当たらせませんから……」
【後輩上司】
「というか、また無茶しようものなら……
わたしがこうして止めに来ますけから……」
;1/接近 囁き
【後輩上司】
「そのときは、おとなしく、わたしに癒されなさい……んふふ♪」