Track 1

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■トラック1『出られない部屋』

;◆演出 だんだん、妹ちゃんの声がフェードインしてくる。 【妹ちゃん】 「ねぇ……起きてってば……ねえ、起きて……クソ兄貴……起きろ……っ」 ;◆SE リスナー、体を起こす 【妹ちゃん】 「……ぁ。やっと起きた。……ったくさ。寝ぼけてないで。……ね。ここがどこか、分かる?」 【妹ちゃん】 「そ……。アンタにも分からないんだ。いや……ん……知らんし……。うちも別に……さっき起きたトコで。  ここ、一体なんなん? 真っ白な部屋……家具だけが、やけに豪華で」 【妹ちゃん】 「アンタが寝てる間に、色々調べたの。ドアは一つ。でも開かない。うちら、閉じ込められてる。  戸棚には沢山の食料。あっちにはシャワー室。それに、ほら、そこにあるのはタイプライター」 【妹ちゃん】 「……誰かに誘拐とか拉致されたにしては、無駄に広くて、無駄にいい部屋。まるで高級ホテルみたい。それなのに窓一つ無い。  全く……どうして、よりにもよって、クソ兄貴なんかと……」 【妹ちゃん】 「……あんま、こっち来ないでよね。変な目でも見ないで。  誰も、居ないからってさ」 ;◆SE タイプライターが動き始める 【妹ちゃん】 「…………ん? 何アレ。なんか、動いてる。文字が書かれてるよ。……ぇー、なになに?」 【妹ちゃん】 「『ここは……セックスをしないと……出られない部屋、です』…………は?」 【妹ちゃん】 「何いってんのこいつ。マジ?」 ;◆SE タイプライター 【妹ちゃん】 「『……しかし、指令を全部クリアすることで……セックスをしなくても出ることが出来ます』」 【妹ちゃん】 「いやそもそも、何でそんな命令に従わなきゃいけんの、って話」 ;◆SE タイプライター 【妹ちゃん】 「『……あなたたちは、命令に従う以外、この部屋から出る方法はありません。それだけです』」 【妹ちゃん】 「……声が、聞こえてる? もしかして、監視カメラとかもあるのかも」 【妹ちゃん】 「はぁ……えっと……何、これ、マジなの? ドッキリとかじゃなくて?  あんたらこれ何か分かってる? 犯罪だよ監禁だよ」 ;◆SE タイプライター 【妹ちゃん】 「『私達は崇高な目的のためなら、手段を選びません!』」 【妹ちゃん】 「……うわぁ。なんかこいつらヤバそう……。マジでイッちゃってる感じする」 【妹ちゃん】 「……変に抵抗して、危害を加えられるよりは…………マシか……」 【妹ちゃん】 「……それで。その指令ってなに。うちらは何したら良いの」

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