0.プロローグ
プロローグ
【正面：遠め】
……ちょっと。あんたいつまでソファーの上(うえ)にくつろいでんの。
明日(あした)も学校なんだから。早く寝なさいよ。
…と、言(い)いたい所なんだけど…
お母さんね、あんたに話(はなし)があるの。
…うん。話(はなし)。ちょっと聞きたい事(こと)があってね。
(ここの台詞を言いながら【右耳:普通へ】)
(主人公の隣に座る場面です)
…お母さんも隣、座るわよ……ぅんしょ…と。
【右耳:普通】
……で？何(なに)かあったの？
…何(なに)がじゃないわよ。何(なに)か悩みでもあるのかって聞いてるの。
…だってあんた、最近ずっと元気無いじゃない。
帰ってからもただいまだけで部屋にこもっちゃうし…
ご飯(はん)の時(とき)だって全然喋ってくれないじゃない。
それにさっきみたいに、ソファーの上(うえ)でボーッとしてる事(こと)だって多いし。
ちょっと前(まえ)まではそんなこと無(な)かったでしょ？
…だから何(なに)か、悩みでもあるのかなって…。
それともお母さん、あんたに嫌がる事(こと)とか何(なに)かしちゃった？
もしそうなら謝るから、正直(しょうじき)に
……違うの？じゃあなんなの？言(い)わないと分からないでしょ？
…もちろん、あんたが何(なに)か悪(わる)い事(こと)したなんて、そんな心配はしてないわ。
あんたがそういう事(こと)するような子じゃないのは、お母さんちゃんと分かってるから。
…けどね？大切な息子が…一人(ひとり)で悩んで苦しんでるって思うと…
やっぱり放(ほお)ってはおけないし、心配になるのよ？
お母さんのこの気持ち、分かってくれるわよね？
……ん。だったら言(い)って？何(なに)か悩みがあるんでしょ？
お母さんが力(ちから)になってあげるから。ね？
……無理(むり)なんかじゃないっ。
そうやって最初から諦めたり決めつけたりするのはよくないって
お母さんいつも言(い)ってきたでしょっ？
それに。今(いま)までだってあんたの悩み、全部一緒に解決してきたじゃない。
…でしょ？それなのに今更(いまさら)そんな暗(くら)い顔して…。
今(いま)までみたいにお母さんを頼ればいいのよ。
ね？だからお願い。お母さんを信じて話(はな)して。
…えぇもちろん。あんたが納得するまで話(はなし)は聞くし、力(ちから)にもなってあげる。
……分かってくれた？…そう。
…うん。じゃあ話(はな)して？
(息子の話(悩み)を聞いて、たまに相槌を打っている場面です)
…うん……そう。やっぱり悩みがあったのね…。
それで？どんな事(こと)なの？
……うん…う…えっ？好きな人…？
好きな人がいて…って…。
それじゃあもしかして、あんたの悩みって…恋、って事(こと)…？
な、何(なに)よもうっ…そんなことだったのっ？
お母さんもっと深刻(しんこく)な悩みでも抱(かか)えてるのかと思ったじゃない…っ。
それなのに実際には…
ただの恋(こい)煩(わずら)いってことなんでしょ？
……へ？普通の恋じゃないの？
…それってどう言(ゆ)う事(こと)？
クラスの子が好きとかじゃ無いってこと…？
…そうなんだ…どんな人(ひと)なの？
…うん…うん…えぇ⁉そんな歳上(としうえ)なのっ？
(ここまで)
しかもお母さんと同(おな)じ年齢じゃない…
それに結婚してる人だなんて…。
うーん、これはちょっと難しい問題ねぇ…。
あんたがそんなに悩むまで好意を抱(いだ)く人(ひと)なんだから
きっと魅力的な人(ひと)ではあるんだろうけど…。
でも今回の場合は素直に応援できないわよね…。
…えっと…その人(ひと)ってお母さんの知ってる人(ひと)？
友達のお母さん…とか……違うの？じゃあ一体(いったい)…
…ん？昔から悩み相談に乗ってくれた人(ひと)…？
お母さん以外にそんな人(ひと)いたの？
……いないでしょ？じゃあどういうことなのよ。
おかしいじゃない、お母さん以外にそんな人(ひと)いないのに。
それじゃあまるで…お母さんのこと言(い)ってるみたいに…聞こえ…
……え…まさか…そうなの…？
あんたの好きな人(ひと)って…もしかして…
って、ごめんなさいそんなはず…っ、そんなわけないわよねっ…
母親相手に…そんな…
《嫌悪感はありません》
…う、うそ…ほんとに…？
もしかして本当(ほんとう)に…お母さんのこと、なの…？
……そ、そんなっ…うそでしょ…そんなことって…。
…い、一応(いちおう)聞くけど…そう言(ゆ)う…好き、なのよね…？
一般的(いっぱんてき)な…異性(いせい)としての…好き、なのよね…？
…そ、そうよね、だからそんなに…悩(なや)んでるのよね…。
…はぁ、そっかー…まさかこんなの…思ってもみなかったわ…。
…へ？気持ち悪い…？
何(なに)言(い)ってるの。そんなこと思ってないわ。
当たり前でしょ？
大切(たいせつ)な息子に、そんなこと思ったりしないわ。
…えぇ本当(ほんとう)に。ただちょっと…驚いてるだけ…。
想像もしてなかったから…うん…ほんとに大丈夫よ。
…でもその…分かってるとは思うけど…
あんたの気持ちには答えられないわ…。
私たちは…親子だし…ね…うん…
(少し照れながら聞く感じです)
……えっとそのっ、やっぱりあんた…
そう言(ゆ)う事(こと)したいって、思っちゃってるの…？
…か、勘違いならそれでいいんだけどっ、そのほらっ
そう言(ゆ)う意味での好きって事(こと)なら…エッチな…こと…とか…
お母さん相手に、考えてたり…するのかなって…
(ここまで)
……や、やっぱりそうなんだ…。
本気(ほんき)でお母さんの事(こと)…好きなのね…。
…それならあんたのこの悩み、解決するとしたら…何(なに)があるの？
どうしたらあんたは納得して、解決できるのか…
あんたの考えを…何を考えてどうしたいのか…
正直に、お母さんに教えて欲しいの…。
……うん、なに…？お母さんとしたいこと？
…いいわ…どんなことか言(い)ってみて…？うん…
(何を言われるかは察していました。焦りや嫌悪感はありません)
……っ、セッ…クス…？
…そ、そう…そっか…やっぱりそうなのね…。
なんとなく…あんたの顔見てたら…そんな気はしてたけど…
(ここまで)
…え？ううん、別に引いたりはしてないわ。
それにお母さん、嫌な気にはなってないから。不思議とね。
…あぁでもっ、だからって勘違いしないのよ？
嫌な気にはなってない、ってだけだから。
特別な感情があるわけじゃないわよ？
あんたは息子なんだから、そんなの当然よ。
(少しだけ恥じらいながら)
……ただ…ただね…？
あんたがどうしても、って…言(ゆ)うなら…
お母さん、協力してもいいかな、って…。
…う、うん…本当(ほんとう)よ…？
(ここまで)
それにほら、お母さん力(ちから)になるって言(い)ったでしょ…？
それなのに大切な息子を裏切るようなこと、出来ないじゃない。
…それで？あんたはどうなの？
改めて聞くけど、本当(ほんとう)にお母さんと…エッチしたいって…思ってる？
……そう…じゃあ、ちょっとこっち向いて？
(ここの台詞を言いながら【正面：普通へ】)
いいから、ほら。お母さんの顔見て？
【正面：普通】
(息子の目を見て改めて気持ちを確認し、真剣に話す感じです)
…ね？いい？分かってる？
お母さんはあんたの母親。私(わたし)たちは実(じつ)の親子なの。
…後悔しない？勘違いじゃない？
本当(ほんとう)に大丈夫？気(き)の迷(まよ)いじゃない？
本当(ほんとう)にお母さんの事(こと)が好きで…お母さんと…
母親とそう言(ゆ)う…エッチな事(こと)したいって…
そう本心(ほんしん)から思ってる？
(ここまで)
……そう。本当(ほんとう)に本気(ほんき)なのね…。
…はぁ、じゃぁ分かったわ。
…あんたの本気(ほんき)の気持ちも、改めて確かめられた事(こと)だしね。
お母さんも覚悟を決めて、あんたの望みに答えるわ。
…えぇ本当(ほんとう)よ。それがあんたの求めてることならね。
それしか無(な)いんでしょ？なら仕方(しかた)ないじゃない。
…だけどあまり期待はしないでよ？
お母さんだって…別に経験(けいけん)豊富(ほうふ)ってわけじゃないんだから。
それに若くもないしね。
……そんなことあるのよ。お世辞(せじ)なんていいから。
…じゃあほら行(い)くわよ。
…どこへって……あんたの部屋でしょ。
こんな所(ところ)でするわけにいかないじゃない。
お父さんに見つかったらどうするのよ。
一応(いちおう)今日(きょう)は遅くなるって連絡はあったけど…
…っ、見付かっていいわけないでしょっ…！
全(まった)く、あんたって子は…
…そんなこと言(い)ってると、してあげないわよっ？
……はいはい。分ったならほら、さっさと行(い)くわよ。