■01
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え……若旦那様が、なんですか?
最近……いえ。
別に、何もおかしなことはありませんけど?
目が?
はぁ……いやら、し!?
えっ、えぇえ?
なんですかそれっ、そんなっ。
そ、そんなこと、ないと思いますけど……なっ、ないですってばぁ。
んもうっ、そんなことを考える姉様方の方が、よほど……その、う、うう。
いやらしいことを……っごくん。
ですから、その様なことはありませんってば……ま、まだ。
それは、えっと……はい。
わかっています。
大丈夫ですよ?
教わったこと、忘れていません。
そ、その時が……。
その時が来れば、わ、私っ、精一杯お相手させていただきますっ。
はぁ、はぁはぁ……っごくん。
でも……私なんかより、姉様方の方が適任なのではないかと思うのですが。
はぁ……そういうものですか?
若旦那様とは同い年ですし、気さくに接していただいてますので、その様な雰囲気になったこともないですが。
はぁ……そうですか。
……はい。
たっ……焚きつけたりなんてしませんっ。
んもうっ、姉様方?
私は別にっ、若様と絶対にそうなりたいっと言うわけではないですから……な、ないですってば。
もぉお~……。
はふぅ~……姉様方にも困ったものです。
それはまぁ、確かに?
若様もお年頃なのでしょうけど。
だからと言って、すぐにそう、というわけでは……な、ない、ですよねぇ。
一応、夜のお供についての一通りは教わっていますけど、実践したことはないですし……不安がないわけではないですが、私とて女中の端くれ。
主に求められたことなら、なんでもっ。
な、なんでも、できるでしょうか……ひゃあ~っ、やっぱり不安っ。
心配です~っ……はっ!
わ、若様は、どうなんでしょう。
まだ、そう言ったご経験はない、はず……はず?
先程、姉様方も手は出されていない、と言っていましたが、実はもう誰かと……もしくは、お外で誰かとっ。
まさかもう、将来のお相手が決まっていて、その誰かと~!?
は……ははは……ない、ですよね。
若様に限ってそんな。
まだまだ、純真な方ですし……女性との接吻とか、女性との抱擁とか、じょ、女性との交わり、なんて……あぁ、そんな!
ふぅ~……落ち着け落ち着け。
私が、そんなことを考える必要はない……ない!
うん♪
わ……若旦那様?
朝のお支度に参りました……は、入ります、ね?
……あれ?
若様?
えっ……ど、どうかなさいましたか?
失礼しますっ。
ん……んん?
若様?
いったい……え。
ええ?
いえ、そういうわけにはいきませんが。
どうしたんですか?
そんなに慌てて……お布団、お下げしますよ?
ですから、良くないですっ。
私の仕事ですから。
いえいえ、そのような……なんで遠慮するんですかっ。
私が旦那様に怒られますのでっ……っと。
さぁ、もう起きてください?
いつまでも……ん。
んん?
あれ……何か、変な匂いが。
んん……クン、クンクン、んっふ。
んん~?
これは……あ。
掛け布団に何か……。
あぁ、匂いの元はこれですね?
んん、クン、クンクン……んっふぅ。
変な匂い……だけど、不思議とあったかくなるような。
クンクン、んん、クンッ……あぁ、若様からも。
あ~ぁ、ちり紙を散らかして……あぁ、この匂いの元を拭き取ったんですね?
なんですか、これ……若様?
若旦那様ぁ?
えっ……えぇえ!?
わかってないですよ?
からかってもいなっ……あっ、わ、若様!?
え……え……あの、若様?
えっと、その……胸、さ、さわられても。
あの、すみません。
私、姉様方みたいに大きくなくて……あ、はい。
私は、若様のものなので、おさわりになりたいのなら構いませんが。
お、おお、落ち着いてはいませんが。
夜?
はい。
もちろん、お布団のご用意などで……では、なくて?
あ!
はっ、ひゃい。
ひゃいじょっ、だ、大丈夫っ、ですっ、はい!
わかり、ました……ではまた、夜、に。
よ……夜ぅううう……っごくん。