もう少しだけ、心の準備がしたいから
■トラック4『もう少しだけ、心の準備がしたいから』
;◆SE 窓を開いて、風鈴が揺れる
//ダミーヘッド位置・11(右・遠い)
【ゲッコーちゃん】
「……ふぅ。気持ちいい……風……」
;◆SE 近づいてきて、ベッドの隣に座る
//ダミーヘッド位置・7(左・近い)
【ゲッコーちゃん】
「……えへ」
【ゲッコーちゃん】
「最近は……夜さ。よく、ゲーム……してるじゃない?
だから、改めて……近くに君の顔があって、君の声がするの……不思議な感じがして」
【ゲッコーちゃん】
「……ホントは……もちょっと……会って……お話とか……したいんだけどね……なんて……」
【ゲッコーちゃん】
「あ、いや、当方日本人、ハイコンテクストな言語を操る民族ですゆえ、
実際にアイコンタクトなどしながら話したほうが意図を汲み取りやすいというだけの話で」
【ゲッコーちゃん】
「別に……深い意味なんかは……無い……無い……………………無くはない……」
【ゲッコーちゃん】
「……って言ったら…………君は……迷惑……かな。怒ったり……する?
私と……遊んで……くれなくなっちゃう?」
【ゲッコーちゃん】
「深い意味があるんだよって……本当は……ビビリな私が……一生懸命……、
気持ちを伝えようとして……遠回し……遠回しで……喋ってるんだって言ったら……」
【ゲッコーちゃん】
「……………………」
【ゲッコーちゃん】
「ごめんね。私、変なことばっかり言って。
でも小さい頃からイタイ子だったから、今更だよね」
【ゲッコーちゃん】
「君だけは……私と……一緒に居てくれて………………」
【ゲッコーちゃん】
「……あの……ね……言いたいこと……もうちょっと……待って……?
ちゃんと……ちゃんと私……言えるから……勇気が出たら……言えるから……」
;◆声 ささやき
【ゲッコーちゃん】
「だから、もう少しだけ……あなたのお耳をお借りして、いいですか……?」