彼女のお家にお呼ばれ
【効果音:ドアチャイム】
【位置:正面・中距離】
(ドア越しに)
はぁ~い。
【効果音:ドア開く】
いらっしゃ~い。あは、時間通りね。
あなたが夏希の? あらあら、夏希の言うとおり、かっこいいわねぇ。いい彼氏見つけたみたいね、あの子。んふふ。
あ、ごめんなさい。
初めまして。私、夏海の母親の春海と言います。いつも娘と仲良くしてもらってるみたいで、ありがとね。
それと、家に来てくれたのもありがとう。あの子、初めて彼氏が出来たって嬉しそうに話すものだから、私もそれがどんな子なのかつい気になっちゃって。
だからこうしてあなたを招くことにしたのよ。私と夏希とあなたで、三人で楽しくご飯を食べて、みんなで仲良くなりましょうって。楽しそうでしょう?
でも……実はね。ちょっと一つ、問題があって……。
その夏希なんだけど……実は、急用が出来ちゃったのよ。あの子が習い事してるのは知ってるわよね? そっちで何か起きちゃったみたいで。帰ってくるの、夜遅くになっちゃうみたいなの。
だから、今日はあなたと私、二人きりでお食事ってことになっちゃったんだけど……。平気?
彼女のお母さんと二人でご飯、なんて……あんまりよくないでしょう? 気が引けちゃうと言うか……。
どうしましょうか。もしイヤだって言うんなら、正直に言ってね。今日はなかったことにするから。
私としては、夏希なしでもあなたとお話したいとは思うんだけど……。どう? ご飯……食べてく?
え……いいの? あらあらまあ……。ありがとう。うふふ……。さすが夏希の彼氏くん。優しいのねぇ。
それじゃあ入って入って。ふふ、すぐ準備するからね。
夏希の分まで、たっぷり食べていってね。ふふふふふ……。