■1. プロローグ
■1. プロローグ
お帰りなさいませ、主様♪
お仕事お疲れ様。
ご飯にする? お風呂にする? それともわ た し?
……え、案外普通の出迎えだね、って?
だって前のは不評だったじゃない。
だから極々普通の新妻設定的なアレしてあげたじゃないの。
いや、正直私としては、前やった感じが好きなのよ?
ご飯の前にセックス? お風呂でセックス? それとも今すぐここでセックスする?
私はいつでも準備万端!
こっちのが私らしいっちゃ私らしいでしょ……って、あれ、どしたの、頭抱えちゃって?
私は淫魔サキュバス。
魔族でいうところのサキュバスは、魔界の中ではそこまで地位の高い悪魔ではない。
だからと言って、そこまで虐げられているわけでもない。
何故なら、理由があるから。
夢見を操ることに長けている私たちは重宝がられている。
戦乱の世の如く魔界は荒れに荒れている。
そんな中の癒しとして、私たちは質の良い眠りを提供したり、夜のお供としてストレス発散したりと
大忙しなのです。
サキュバスビジネスとして一大企業として成り上がってる友人もいるけど、それはまた別のお話。
そもそも私が主様と出会ったのは数ヶ月前のこと……。
(回想に入る)