殺し屋ちゃんは日常に慣れない
【正面/遠】←マイクからの【位置/距離】
おーい、こっちだ。全く、せっかくのデートなんだからあんまり待たせるんじゃない。ほら、早く行くぞ
せっかく全部終わったんだ。一緒に、祭りとやらを思い切り楽しみたい。
右隣で一緒に歩いている。やや感情を露にする
【右/近】
それにしても、私がこうして普通の生活を送れるようになるとはな。平和な世界へ手を引いてくれて、感謝している
表情が固い? 仕方ないだろう。私はずっと、こういう平和な毎日からかけ離れて生きてきたのだから。今もこうして、君と……祭りとやらに行けているのだって、奇跡に等しいんだぞ
少し照れたように
【正面/近】
あ、頭を撫でるな。そんなことされると……私は、その……び、病気にかかってしまう
恥ずかしくなって、ドキドキして、君の顔を……見れなくなってしまうんだ。組織に拾われて、訓練を受けた私にも、まだこんな感情が残っているなんて……信じられない
【右/密着】
私を兵器から人間に戻した責任は、とってもらうからな
【正面/近】
ん……っ。君も顔を赤くして、恥ずかしいのか? こうして、抱き着いて……体をくっつけるのが恋人というものだろう?
何? 結構積極的だって? それはそうだろう。私も、暗殺技の一環で色仕掛けも身に着けているんだ。君を独占できて、喜ばせるためなら……積極的にもなる
歩くのを再開し、少し離れる。感情を少し抑えたように
【右/近】
それにしても、人がどんどん増えてくるな。着物とやらに身を包んで、楽しそうに笑って。全く、気が抜け過ぎている。もしこんな時に襲撃を受けたらどうするというんだ
……すまない。今はそういうの、ナシだったな。組織にいた時の癖で、つい目についてしまった
ややキョトンとする
何? 私も着てみればよく似合う、だって? こんな所に来ても、セーラー服じゃ浮いている……か。オシャレというものに興味はなかったが、君が言うなら試しても良いかもしれないな。今度、一緒に選んでくれないか?
緊張気味に
戦いしか知らない私に、一つ一つ……平和な世界に順応できるよう、君から教えて欲しい。受けてくれるか?
安心したように
……ありがとう。快く引き受けてくれて、嬉しいぞ。ええと、祭りは夜店というものを回るのだったか。案内してくれないか?
凄い、色々な店があるみたいね。なんだか、向こうから甘い香りが……。これは、クレープ?
しばらく歩き、目ぼしい店を見つける。感情を露にする
はぁ……うぅ、う。美味しそう……
なっ! わ、私は涎を垂らして何かないぞ! そ、そこまで気を抜くなど、組織で鍛えられた私が、そんな失態……うう、ぅ……。こんなこと、昔はなかったのに
ああ、顔が熱い。どうしてくれるんだ……
え、ええっ!? コレ、食べさせてくれるのか? わぁ……ぁ。い、いただきます。
はむっ、ん……っ、んむっ、んぅ……う。ああぁ……あ、本当に美味しい……ぃ。こんな食べ物があったなんて、知らなかった
む、フィアは相変わらず甘いものが好き……? む、むぅ……。確かに昔、君の部屋に忍び込んだ時。菓子パンとやらを全て平らげたことは反省している。それで、君の朝食もなくなったことも悪かったと思っている。
わ、私も……その、節操がなかったんだ。許して欲しい
んっ、んんぅ……。そういう所も可愛い、だって? あんまり甘やかさないでくれ。私は、君のそういう所が見えると……トコトン甘えたくなってしまう
抱き締められて密着し、嬉し恥ずかしと言った具合
【正面/密着】
ひゃっ! も、もう……急に抱き締めないでくれ。び、ビックリするし、身体も……今より、ずっと、熱くなる、から……ぁ。クレープも、まだ食べてたんだぞ。君の服が、汚れるだろう……?
SE:花火の音
抱き締められて密着したままもがく。
っ! な、なんだ! 敵襲か! まだ組織の残党が残っていたというのか! 人込みだからこそ、こちらを狙いやすく……! ええい、油断した。何をしている、早く動け! 死にたいのか!
んっ! な、何……? 今の破裂音は銃声とかじゃない? 空を見て見ろ……だって?
やや後ろを振り向き、感心したように声を漏らす
わ、わぁ……。奇麗だ。これは一体何なのだ?
なるほど、花火というやつか。急に大きな音が聞こえたものだから、私はてっきり……
抱き締められれたまま、恥ずかしがる
うう、またドキドキしてきた……。けど、コレは……その。どこかに隠れたくなるような、変な感じだ。どこかに、穴は開いていないか?
な、何を笑っている。私は、その……ううぅ。だ、抱き締めて、隠れさせてくれ……っ
抱き締められれたまま、少しづつ落ち着いていく
んうっ、ううぅ……う。はふ、うぅ……。やっぱり、君の身体は安心する。君の手も、温もりも、匂いも、全部が私を安心させてくれるんだ。君と出会ってなかったら、私はきっと……ずっと、ずっと、人を殺して、心のない機械になり果てていただろう
そうならなかったのは、不幸なのか幸福なのか、私には分からない。けど、今のこの……温かい気持ちを、ずっと味わっていたいと思う。だから、私と離れないで欲しい。お願い……だ
んんっ。また、頭を撫でるな……っぁ、ああぁ。ゾクゾクって、しちゃうから……ぁ
むうぅ、まるで子犬見たいって……馬鹿にしているのか? まあいい、君だから許す。君意外だと、鉛球を額にお見舞いしているさ
物騒なことはあまり言わないで欲しい? ……そう言われても、急には抜けきらない。少しづつ、少しづつ……。君と生活していく中で、直せればなと思う
だから、私とは長い付き合いになるぞ。というよりも、一生をかけて責任を取ってもらう。君とは、歳を取って、死ぬまで一緒だ。神様の前で誓い合う必要はない
ずっと、ずっと……。辛いことに、悲しいコトも一緒に乗り越えて、添い遂げよう。約束だ