Track 5

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Part4「肩揉みくらいなら……」

……。 ん……! やっと起きた…… おはよっ、ちょっと起きるの遅いわね…… まあ……そーゆーわたしもさっき起きたばっかなんだけど… いつなったら起きるかな~って思いながら待ってたのよ… にしても、あんたってば、だっらしな~い(だらしない)顔で寝てたわねー…♪ うん? 今日っ? 今日は、お休みの日だけど……? えっ? あっ、うん…おやすみぃ――ってちょっと待ったあああっ……! なぁ~に、二度寝しようとしてんのよっ…! せっかく目が覚めたんだから、そのまま起きてなさいよ…… も、もうちょっとだけ? ……なんか起きたときの私とおんなじこといってるし…… と、とにかく起きるっ…! えっ、だるいの? そりゃあ……寝起きは誰だってそう感じるけどぉ…… う~~ん……。 じゃあ……わかったわよ…、マッサージしてあげるからそれでいい……? あ、いやっ…! そのっ…、肩揉みくらいならぁ別にしてやってもいいかなぁって…… ほ、ほらっ、やってあげるっていってんだから……さっさとうつ伏せになりなさいってのっ……! う、うん……そんな感じ……、じゃ、じゃーあ……肩さわるね…? う、うっわぁぁ……なによこれぇ……カチカチじゃない… これ、ホントに肩なの…? どうやったらこんなに凝るのよ…… えっと……肩もみを始める前に……、まずは肩をあったかくしなきゃ…… あ、でもそうするには蒸しタオル準備しないといけなかった…… 今から準備すると、かえって時間かかっちゃうし…… その……、今日はタオルがないから、代わりに私の手であっためるようにするね…? 少しの間(あいだ)、肩にのせておくから、それであったまって…? え? そんなんじゃあったまらない……? うう、うるさいわねっ…! こういうのは、やってあげる気持ちが大切なの……っ! とにかく、これであったまってなさいよね……! ……私の手の感触はどう? あんたとは違って小さくてやわらかい感じだけど…… え? 結構心地よくて気持ちいい? ふ~ん……。そう…、ならよかったわ…… たまにはこんな感じの朝も悪くないかも……♪ ふぇっ!? いやっ、なんでもない! なんでもない…! 温めるのは…、このくらいして、そろそろはじめるね…… あ、でも…いきなり揉んだら痛くなるかもしれないから、最初は…肩全体を柔らかく押し当てるように… っと……っしょ……、指をつかって、肩の表面をゆっくり優し~く、ぐっ……ぐっ……っと…… おんなじところだけじゃなくて……、何回か押し当てたら、少しずつ場所を変えていって… 肩の端(はし)までいって……、で、端(はし)までいったら、また戻るように内側へ…… 全体にいきわたるように……んっ……、っと……よいしょ…… ゆっくり押すだけじゃなくて、少し動きをはやくしながら、不規則にふんわりと肩を圧迫して…… ぐっ…ぐっ……、んしょっ……よっと……ふぅ…… う……んと、こんなのでいいかなあ~……って、お~~い、生きてるぅ~? はぁ~…、いっとくけど、これ快眠のためじゃなくて起こすためにやってんの… だから、そのまま起きてなさいよねえ……。じゃあ、肩もみはじめるわよ… あんまり心地よすぎて、眠ったりしないでよね? んっ……、っしょ……ん……、手のひらと指全体をつかって……もみ…もみ… 指先にあんまり力入らないように指の間(あいだ)をとじて、指の全体と手のひらの付け根で挟みながら…… っと……、ど、どーお? 肩が痛んだりとかしなかったりする? こんな感じだと、大きくてやわらか~い揉み方だから、ちょっとは気持ちいいでしょ…? よくみる、強く揉んじゃうやつだと、後々(あとあと)痛みがきて逆効果なんだってさ…… もし、私にも肩揉みするときがあったら、そういうのをよくよく考えながらしてよね… ほら、次は、肩に円を描くように揉んであげるから、どんどん凝ってるとこ、ほぐしていくわよ っしょ……ふっ…………ふっ……、っしょっと………ふふっ♪ もみっ………もみっ………、ぐるん………ぐるん………くすくすっ♪ っとと……! だいたいほぐれてきた感じね… あんまりやりすぎても、かえってダメだから、程々のこれくらいにしておくわよ… はい、それじゃあ起きるっ♪ う~ん、なに? ま~だなんかしてもらいたいの……? はぁぁ……まったくしょうがないやつねぇ…… ん~……、肩もみみたいに簡単なやつだったら、してあげてもいいけど…? え、ぎゅ、ぎゅぅ…? ぎゅぅ………、え、ええっ!? ぎゅぅっ?! それって、抱きしめるってことっ!? ば、ばばばバカじゃないの!? 朝っぱらからそんなことできるわけっ…… あっ……、それで…、ちゃんと起きてくれるだったら、してあげるけど、それでいい……? そ、そう……、ならいいわ……。 ぜっ、絶対に起きなさいよ? じゃあ、今度はこっちに身体向けて…? うう……は、恥ずかしい……。 え? わわわかってるっ! うえからぎゅぅってしてあげるっ! は、はいっ! ぎゅぅ……ぎゅううぅ…… こ、こんな感じっ…? あの…、重くない? って、そこまで私は重くないわよっ…! あ、いやっ…! えっと……そのっ……あ~もぅ…… えっ、深呼吸? あ……うん…… すぅ~……すぅ~……、すぅ~……すぅ~…… あぁぁぁ……、なんか…落ち着いた感じがする……ふぅぅ…… それに…、あんたを抱きしめてると……、胸の奥が……すっごく…… う……ん…? なでなで…? あたまってことかな……? しょ、しょうがないわねぇ……♪ はい、なで…なで……、うふふっ♪ なんか甘やかしてるみたいっ♪ ふぅ………、やっぱりあんたって、優しいわね…… それに、ここぞっていうときに、的確なこともいってくれるし……すごいなあ…… でも、毎回そんなあんたじゃ疲れると思うから… たまには、こういうふうに甘えてくれると……、私も嬉しい…… そ、そりゃあ……、だって……あんたのことが……あんたのことが…… えっと……えーっと……っ! す、すすす……す…き……だから……しょうがない……じゃないっ……! だ、だから……これからも……、えと…あんたと……一緒にいてあげるから……その…… って…、人の話きいてる? きいてるんだったら、返事くらい……、あ… ちょ、ちょっとぉ…、起きてる……? もしもぉ~~し……? はぁぁ~~……寝ちゃってるし…… あ~もぅ……、何で人が懸命に気持ちを伝えてるときに寝てるのよぉ~…、まったく…… ん~…、でも…そういうとこも、あんたの好きなところだから、いいんだけどね…… えと……、寝てるん…だよね…? じゃあ、寝ていてもわかるように、今の気持ちを簡単に表すと…… んっ……ちゅっ…、んっ……んーっ、んんっ……ちゅるんっ…… ふぅぅ……、こういうことなんだから……って、ふぇっ? ふああぁあぁぁああっ!? ちょ、ちょっとっ、あんたいつから起きてたのよっ?! ねねね寝たふり!? ば、ばっかじゃないのっ!? じゃあさっきいったことも、キスしたことも……! はわわわわっ……! むぅ…、ほらっ、眠いんでしょ? 私もあんたの二度寝に付き合ってあげるから、さっさと寝るわよっ…! え? さっきの言葉がよく聞こえなかったらもう一回? なななんでもないってばっ! わたし、眠いんだから先に寝るわねっ、おやすみっ! 知らないっ、じゃーねっ! ふんっ! ………ぁ……。 しゅきぃっ(好きっ)……くすすっ♪ (おわり)

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