一章 プロローグ 同じ団地に住む かおり× さくらママの甘やかし標的になったあなた
一章 プロローグ 同じ団地に住む かおり× さくらママの甘やかし標的になったあなた 2200文字 【音声方向:正面】
ねえ、そこの君、ちょっといいかしら。そう、そうよ、君に話しかけてるの。
よくこの団地内で見かけるけれど、ここに住んでいるの?
そう、やっぱりね。前から見かけて気になっていたの。
どうかな?かおりママ。この子が、私が前から話題にしていた子なんだけど。
あらあら、あなた、可愛がり甲斐がある顔をしていますわね。
ふふ、私の母性本能がくすぐられちゃいます…… ♡
ほら、言ったでしょ。かおりママは絶対に気に入るって。
さくらママもいい子に目を付けましたね♡
ああ、ごめんね。ほったらかしにして。
私、前々から君のことが気になっていたの。だけど、見かけるだけで、なかなか話しかける
タイミングが合わなくて、それで今回ちょうど声をかけられそうな雰囲気だったから、声か
けてみたわけ。
私達も、この団地に住んでいるんです。二人とも仲良しで、しょっちゅう一緒にお茶したり
しているんですよ。
それでね、どうかしら。もし時間あるなら、私達とお茶でも飲まない?
私もかおりママも、今は夫がいないから、話し相手がいなくて寂しいの。子供達もまだ学校
から帰ってきてないし。だったら、一人でも多いほうが楽しいし、賑やかでいいじゃない。
え?なんで君なのかって?それはもちろん、君が可愛い顔しているからに決まってい
るじゃない♡どうせお喋りするなら、私達、可愛い子と話がしたいもの。
もちろんご迷惑でなければ、ですけど。どうでしょう?
…… まあ、よかったですわ♡
そうしたら、私の家までどうぞ来てくださいね。
美味しいお茶をご馳走しますから。
そうそう、自己紹介がまだだったわね。
私は南さくら。さくらママ、って下の名前で呼んでくれていいよ。
私は椎名かおりです。同じく、かおりママ、でいいですよ。
何なら、かおり、って呼び捨てにしていただいても、ふふ、それはそれで嬉しいですわ。
はいはい、かおりママ。最初からそんなに飛ばさない。こういうのは、時間をかけてゆっく
りと、関係を築き上げていくものでしょ。
さ、行きましょっか。かおりママのところで出すお茶は、お菓子もそうだけど、本当に美味
しいから。きっと満足してもらえると思うわ。
【かおり宅へ移動:3秒の間】
【音声方向:正面】
はい、どうぞ。遠慮しないで、どんどん上がってくださいね。
ここがかおりママの家なの。どう?よく片付いてて、綺麗でしょ。
私の家は、子どもがやんちゃなのと、私が片付け下手なんで、年中散らかってるから、とて
もお客様を呼べるような感じじゃないのよね。
物がそんなに無いだけですよお。
それに、ほら、私は夫と別れてて、子どもと二人暮らしですから、その分さくらさんの家と
比べて、必要な物も少ないんです。
それもそうかもね。
一応、君に教えておくと、かおりママは何年か前に旦那と離婚してるの。いわゆるシングル
マザーってやつね。こんなにいい女なのに、かおりの旦那ってば…… 。
あら、さくらママ。それ以上は、めっ、ですよ。別れた夫のことは、あまり思い出したくな
いんですから。
ごめんごめん。そうだったね。
さあ、どうぞ。こちら、リビングに来てください。
二人とも椅子に座って待っててくださいね。今からお茶を入れてきますから。
【かおり、キッチンへ移動:3秒の間】
【音声方向:正面】
ねえねえ、どう思う?
うん、かおりママのこと。すごく大きなおっぱいしていると思わない?
歩くたびにタユンタユン揺れて、魅力的よねえ。
もちろん、私だって負けてないけれど。ほら、見て、かおりママといい勝負でしょ。
君が赤ちゃんの頃、ママのおっぱいって、これくらい大きく見えたんじゃない?どうか
な?お乳をもらった時、抱っこされた時…… 。
あーあ、赤ちゃんの話していたら、なんだかまた赤ちゃんが欲しくなってきちゃった。うち
の夫は、いまは海外赴任で何年も日本から出たっきり、たまにしか帰ってこないし、帰って
きてもクタクタになってるから、全然セックスしてくれないし…… 。それとも、やっぱり、
あの人、あっちのほうで女でも作ってるのかな…… 。
ああ、ごめんね、変な話しちゃって。私もかおりも、最近はどんどん寂しさが増してきてて。
お互いに愚痴を言い合っちゃっていたから、もう話すこともなくて。全然関係ない人に話を
聞いてもらうのは久しぶりなの。
【音声方向:右側】
どうしたんですか?さくらママ。なんだかいつになく真面目な顔をしていますけど。
【音声方向:正面】
あ、お茶いれたのね。ありがと!
ふふ、秘密の会議をしてただけ
【音声方向:右側】
なんですか、それ笑
はい、どうぞ。お茶とお菓子です。ゆっくりしていってくださいね。
【かおり、さくらの隣の席に移動する:3秒の間】
【音声方向:正面】
ずずず……
うーん、美味しい!やっぱりかおりのお茶は最高だわ。このお菓子も、お茶に合ってて、
すごくいいじゃない。そのセンス、見習いたいなあ。
ふふ、ありがとうございます。でも、私は私で、さくらさんの作るお料理とか、大好きです
よ。味付けがお上手で、レシピとコツを教わりたいくらいですわ。
もー、そんなに褒めても、何も出ないよ。それとも、かおりママのところに嫁入りでもしよ
うか?
あら、嬉しいですね♡ぜひそうしてください。うちの子もさくらママが来てくれるなら、
きっと喜んでくれますわ。
あはは、でも、まだその気は無いかな。もう一人子ども欲しいし。
奇遇ですね。私もです。うちの子にも、弟か妹がいたらいいなあ、とよく言われるんですよ。
誰か、ちょうどいい相手いないかな。
そうですね。ちょうどいい人がいればいいんですけど。
ん?君、どうしたの?眠たそうになってきているけど。
あらあら、お茶の効果がこんなに出てくるなんて。
あなたが飲んだお茶、安眠作用のあるお茶なんです。普通はリラックスするくらいなんです
けど、あなたには、かなり効いているみたいですね。
椅子に座っているの、しんどそうだね。
待っててくださいね。いま、お布団を用意してきますから。
ふふ駄目ですよ?知り合ったばかりの人からもらったものを口にしては・・・