Track 1

Next Track Back

【2043文字】怪しい薬を浴びたので_催淫状態などになる

 はぁ、はぁ。はぁ、はぁ。  はー。はー。  はぁぁ……。  ……あ、起きてた……。   ただいまー……。  そー……今日は早く上がれたー……。  ……身体、大丈夫ー? 今日は一日、ちゃんと寝てたー?  そっかぁ……。  んー?  ……ほぉ。ほぉ~……?   ほんとかなぁ。  実はね。  『夕方頃、あなたらしき人が工房の近くを歩いてた』とか。  『リーナの代わりに接客してた』とか……。  『そのついでに、ケガしてた人の治療までやってた』とか。  あたし、色々聞いちゃって。  だから、急いで帰ってきたんだけどなぁ~……?  ふ~ん?  ほぉ。  そぉかぁ。そうなんだぁ……。  『そっくりさんの仕業』かぁ……。  て事はそっくりさん、今日は、服まであなたと似た感じにしてたんだねぇ。  ねぇえ~……? あなた達って、本当に気が合うんだね。  何から何まで一緒で。  他の人には見分けがつかない程同じとか、なんか妬けちゃーう。  そうだね。  もしいつかあなたと彼女が対面したら、親友になれる事間違いなし。  リーナも、彼女が見た目だけじゃなく、中身もあなたに似たとってもいい人だから、とても助かったみたい。  でも、心配してたよ?  だって、リーナは彼女を、完全にあなたと勘違いしてるからね。  『手伝ってもらえて、とても嬉しかった。でも、この前の薬の件があるのだから、どうか無理はしないでね』って言ってた。  ……で、どうなの? 調子は。  痛いとか、苦しいとか、しんどいとか、ない……?  ……。  ……そっかぁ。  ……。  そっかぁ。  なら、いいんだけど……。  なるほどねぇ。  ふむ。  ……はー……。まぁ、あと何日かは寝てようね?  まさか工房にあった薬、あの量被っちゃうとは思わなかったよねぇ……。  でも、お医者さんはそういう風に言うけど。  妙に気になる言い方するよね~。  『被った薬の組み合わせからして、毒性のある反応は起きないだろう』『人体に深刻な影響はないはず』って事はさぁ。  毒性以外の反応とか、人体に多少影響ある事は起きるかもしれないって事にならない?  とにかく今のあなたは『事故により、工房の魔法薬を大量に浴びた労災状態』『いつ何が起きてもおかしくない、不安定な身体』ってやつなんだから。  少しでも『何か変だな』『困ったな』って事があったら言ってね?  みんなあなたの事、すごく心配してるよ。  あなたが助けたあの女の子の為にも、しっかり療養して。  異変が起きたら治療するし、異変がなくとも休んで。  早く元気になったところを見せてあげようね。  そう。わかってくれて嬉しい。  でもさぁ……。  でも。ほんとの事を言うと。  ……実はもう起きてるんでしょ? 異変。  あたしには。……っていうか、誰にも言えてないんだろうけど。  すでに起きてる異常。あるよね?      ちゅ。  ごめんね。わかってる。もう隠さなくていいから。  わかってるよ。  本当は……薬を被った日からなんだか全身熱くて。  変な感じなんでしょ?  他は何もないから……一応普通に暮らせてるけど。  だけど実は、かなり困ってる。  そうでしょう?    ん~?  『身に覚え』……? あるよね。  少なくとも、あたしにはあるよ。  匂いでわかるもん。  ていうか……前から知ってたし。      ごめんね。  本当はこういうの、あんまり人にバレたくないだろうし。  あたしからは何も言わず。  『相談してくれるのを待った方がいい』って思ってた。  だから、この三日位……あなたの様子を見守ってたけど……。  やっぱ、言いづらいまま一人で悩んで苦しんでるの、知らないふりとか、できない。  ……ごめん。もう、はっきり言うね。  ほんとは現場の掃除した時から気づいてた。  あなた。被った薬の種類のうち……一個、お医者さんに一個報告しなかったのがあるでしょ。  あの、ピンク色の薬。  本当はあれも一緒に浴びてて……他の薬と組み合わさった事に寄って出てきた催淫性に、困ってる。よね?      ……困ってる、でしょ?  ……ふう。  やっぱり。  や~っぱそうだったんだね?      ううん。いいんだよ。言い出しにくい気持ちはわかるし。  こういうの、たとえお医者さんが女でもあんま知られたくないよね。  素直に言ったら、容体について色々聞かれるのは避けらんないし。  あの子や、あの子の家族にも耳に入りかねないけど。  小さい子にはますます説明しにくいやつだし……。  だから、収まるまで一人で我慢しようと思ってたんでしょう?  やっぱりね。  あなたらしいね。  あなたらしくて、納得したし。  あなたらしいから、できれば見守りたいと思ってたし。  あなたらしいせいで……ちょっとむかついてる。      だってあたし。あなたの彼女なんだよ?  『もうちょっと早く相談してくれたっていいのに』って、ちょっとは怒ってるよ。  『薬のせいで変な気分になりすぎて、色々参ってる』って、あなたから教えてほしかった。  でも、言えないだろうっていうのも、やっぱりわかるから。  だからね……今日は健康調査だけで許してあげる。      変な薬浴びて、今、あなたの身体がどうなってるか。  魔法薬師の資格を持つものとしては確認しておきたいし。  恋人として……純粋に気になってるし。  だから……秘密を作った悪いあなたに。  ちょーっとおしおき……しちゃおっかな?

Next Track Back