プロローグ
シーン1 プロローグ
状況:校内でヒロインがリスナーに話しかける
あんず:せぇ~んぱいっ♪ ちょっといいですかぁ~?
リスナー「キミは確か…」
あんず:そうですぅ~♡
わたしぃ、
一年の
「七海(ななうみ)あんず」って言いますっ♡
知っててくれて嬉しいですぅ~♡
(モジモジした様子で)
それでぇ~……
先輩に折り入ってお話があるんですけどぉ~…
今って、お時間いいですかぁ~♡
リスナー「う、うん…」
あんず:よかったぁ~♡
それじゃぁ、
ココだと話しづらいのでぇ、
コッチ……ついてきてくださいっ♡
状況:空き教室に案内される
すみれ:…ん? ああ、キミか…文化祭の実行委員以来だな
リスナー「お、おひさしぶりです…」
すみれ:そうかしこまるなっ♪
実行委員の時は遅くまで共に作業をし合った仲じゃないか♪
一学年下とはいえ、よく私の下で働いてくれたな♪
あの時はとても助かったぞ♪
あんず:九条先輩ってぇ、
確か剣道部の主将もされてましたよねぇ~?
文化祭の実行委員長もやってたんだぁ~、
へぇ~すごぉ~い
さて…と
”とりあえず”…これで、役者が揃いましたね~♡
それじゃあまずはぁ…
(リスナーに近づき、動画を見せる)
あんず:コレ……見てください♡
(竿役とリスナーの彼女の動画が流れる)
リスナー「これって……」
あんず:はい…♡
誰だかわかりますよねぇ~?
先輩の愛しい愛しい彼女さん……でしたよねぇ~?
しかも、この春付き合ったばかりで付き合い立てホヤホヤ…♡
それで……その彼女さんが、ナニされてると思いますぅ…?
すみれ:おい、彼…ショックで話が聞こえていないみたいだぞ…
あんず:あ~あ、さすがにショックすぎましたかぁ~…
おーい、聞こえてますかぁ~?
リスナー「なんで…」
あんず:えっとですね……
かいつまんで説明するとぉ……
彼女さん、つい最近 ”とある”人から気に入られちゃったみたいで…♪
それがきっかけでのこんな事に…♡
すみれ:こんな動画をキミに見せるのは心苦しいとは思ったんだが……
説明するのにはこれが一番手っ取り早いと思ってな…
あんず:ところで、一緒に映ってた相手、誰だかわかります…?
(竿役を説明する)
すみれ:さすがに分かったみたいだな……
派手な髪色、日に焼けた肌、人並外れたガタイ、
素行が悪く、半グレとの関わりがあると噂の校内でも有名な不良だ
あんず:そして何より一番悪いのはぁ…“女癖”みたいですっ♪
…なんでも、
赴任してきたばかりの新人の先生にまで手を出して、
その先生、今はお金のために夜のお仕事で働かされてるんだとか…♡
すみれ:学校でも…生徒はもちろん、教師も避けて通るような部類の人間だ…
本来なら絶対に関わらない方がいい存在だろうな…
あんず:でもぉ~…この人、実はぁ…
私たちの…
あんず:ご主人様…♡
すみれ:ご主人様…♡
あんず:なんです…♡
はい…♡
私とそちらの九条先輩は、もう身も心も既にご主人様の”モノ”なので…♡
ご主人様のためならなんでもいうことを聞きますし、
どんな事だってしちゃいます♡
なんなら…忠誠だって誓い済みですし…♡
すみれ:私は不服だがな…
ヤツをご主人様と呼ぶなど……まるで犬みたいじゃないか…ッ
あんず:とか言いつつ、先輩の前だとしっかりと甘えた声を出してるクセに…♡
すみれ:…そ、そんなことはないっ♡
あんず:それで、本題なんですけどぉ……
私たち、そのご主人様に命令されて、先輩にある提案をしにきたんです。
今後、先輩にいくつか動画を見てもらいたいんですけどぉ、
全て見終えた時点で、
まだ彼女さんの事を好きでいられたなら……
先輩の勝ち……つまり、
ご主人様から先輩の元に彼女さんを返してあげますっ♡
リスナー「そんな勝手なこと…!」
あんず:勝手なのは分かってますし、いきなりでビックリでしょうけど……
よーするにぃ……
彼女さんと先輩の愛を試す、
”ゲーム”みたいなものに巻き込まれた、って考えてくれればいいんですよぉ♡
…くすっ♪
すみれ:まったく、恋人を賭けるだなんて……卑劣なことを考えるヤツだ…
あんず:それとぉ……
これからしばらくの間、彼女さんとは学校ではもちろん…
プライベートでも2人っきりで会うことは許されませんので…♡
すみれ:突然の事でキミとしては許容しかねる事だろうが……
ヤツのことだ、
機嫌を損ねればキミやキミの彼女にまで危害を加えられかねない……
致し方ない事なんだ…
あんず:あ、もちろん途中リタイアもありです♡
その場合は彼女さんは自動的にご主人様のモノになっちゃいますけど…♡
(リスナーに近づいて忠告する2人)
あんず:ちなみにぃ~……
大人の力や法的手段に頼ろうとしたって無駄ですよぉ~♡
この学校の生徒はもちろん、
先生だってご主人様には逆らえませんからね~♡
弱み……バッチリ握られちゃってますから…♪
すみれ:ヤツは気に入った物はどんな手段を使ってでも自分の物にする男だ。
たとえそれが ”犯罪” だったとしてもな…
周りに相談したとしても、
良くて黙認、
悪ければキミやその周りにも危害が及ぶかもしれないな…
あんず:だからぁ~……
彼女さんを取り戻すために頑張って挑戦するか、
情けなぁ~く彼女さんを諦めるか……
どちらか今すぐココで決めちゃってください♡
(答えを聞いて離れる2人)
あんず:はぁい…♡ 男らしくていいですねぇ~♡
私ぃ…そういう人、好きですよぉ~♡
(ボソッと呟くように)
…壊し甲斐がありそうで……くすっ♪
いいえ~?
なんでもないで~す…♪
すみれ:応援しているぞ♡ どうか彼女を取り戻せるようがんばってくれ…♡
あんず:それじゃあ改めて……
これから先輩と一緒に動画を見ながら解説していく……
案内役の七海あんずですっ♡
よろしくお願いしまぁ~すっ♡
(咳払いをしながら)
すみれ:んんッ!!
……不本意だが案内役その2……九条すみれだ……
見知った顔のキミには悪いが、
命令されたからには、
こなさなければ私たちにもそれ相応の罰が待っているからな…
贔屓することなく真面目に役目を務めさせてもらう…
あんず:これからは私たちと一緒に…
すみれ:彼女を取り戻せるよう…
あんず:がんばりましょ~ね♡
すみれ:がんばろうな…♡