Track 13

ノーカウント

(チャイムが鳴らされる) <正面 遠い 後ろ向き> (風邪っぽい感じで)ふわぁ~い、どちら様でしょうか? って、お兄さん!? ちょっと待ってください。 (ドアを開ける) <正面 普通> お兄さん、風邪だって連絡したじゃないですか、39度あるんですよっ。 もぅ、どれだけ性欲強いんですか。 って、あっ、お見舞いでしたか、それは失礼いたしました。 差し入れを持って来てくれたんですか。 えっと、風邪薬と、栄養ドリンクと、スポーツドリンクと、のど飴と、プリン。 ありがとうございます、外に出られなかったので、助かります。 お金、払いますよ。 本当に、いいんですか? もらってしまって。 あっ、はい、ではありがたくちょうだいします。 ふふっ、なんだかお兄さんが頼もしく見えます。 う~ん、他に必要な物ですか~。 ねぇ、お兄さん、本当になんでもいいんですか? でしたら、そのー、本、お願いできますか? いいじゃないですかっ、今日が発売日なんですよっ、朝一番に本屋さんに行こうとずっと楽しみにしていたんですっ。 (うれしそうに)えっ、本当ですか、ありがとうございますっ! さすがにこの分はお金を払わせてください。 はいっ、これでお願いします。 書名や出版社はスマホに送っておきますね。 ふふっ、楽しみです。 (チャイムが鳴らされる) <正面 遠い 後ろ向き> は~い、お兄さんですか? お待ちしておりましたー。 ドア、開けますね。 (ドアを開ける) <正面 普通> わぁ、そうですっ、この本ですっ、やったー、ありがとうございますっ。 ふふっ、プリンを食べて、風邪薬と栄養ドリンクを飲んだら少し楽になった気がします。 待望の新刊も手に入って元気も出てきましたっ。 これで、さっそく読めますねぇ、ふふっ。 あはは、そのー、助けてくれたお兄さんの為にも早く治すよう心がけますよ。 ですから、 <左 近い 囁き> んっ、自分でしたりしちゃ、ダメですよ。 全部、私が抜いてあげますから、ふふっ。 お兄さんに、うつすといけないので、今日はこれで我慢です。 (頬にキス)チュッ、ふふふっ。