プロローグ
失礼します。
響きです。
任務の報告に参りました。
最終目標である政府要人から、我が祖国に忍び込ませたスパイについての極秘情報を入手いたしました。 こちらが資料になります。
ご確認を。
とんでもございません。
これも偉大なる祖国とボスのためです。 たとえどんな危険な任務でも、遂行する機会です。
それに、ボスの右腕として秘密警察のナンバー2に迎えてくださった機体に応えるのは当然であり、私の使命です。
今回の任務ですが、あらかじめ計画していた内容に沿って進行していましたが、今回の事態が起こってしまいました。
まず、入国する際にアクシデントが1回。 ターゲットの居場所を特定する際に1回。
最後に、ターゲットから情報を引き出す時に1回。
計3回のアクシデントが発生したため、私の得意分野を活かし回避しました。
得意分野についてですか? ボスもご存知でしょう。
ハニートラップですよ。
危機的状況に陥った際に私がよくする生存戦略であると同時に、武器でもあります。
あの、ところで、ボス。 任務完了のご褒美についてですが、今夜お時間いかがですか?
承知いたしました。
資料を見て成果を確認し次第していただけるのですね。
それでは、ボスが資料に目を通している間、適刻に進入して任務を終えます。 適刻に進入して任務を完了するまでの建議についてお話しします。
もちろん、ハニートラップの内容もです。