トラック1: 異世界転生先はエルフの◯供
お母さん、大変!
大変、お母さん!
お母さんってば! 朝からどうしたの?
想像しちゃう! 姉さん、姉さんも来て!
大変なの! 何が大変なの?
とにかく来て! 質問に答えてよねぇ!
お母さん、大事件!
大事件! どうしたの?
やっと来たねー! 早く、早く!
忙しい子ねぇ! ご飯ならまだよ。
そうじゃなくて! 見て、見て!
この子、まだ眠いのに! え?
何よ?
え?
男の子? そうなの!
男の子の赤ちゃん! 男子が死に絶えて、
女子しかいなくなった、
このエルフの集落に! 私たちエルフは、
このまま滅びる運命とばかり思っていましたが… ああ、神よ!
毎日毎日、赤ちゃんが欲しいって、
お祈りしてたから! きっと神様が私に授けてくれたんだよ! ユフィの祈りが通じたの?
でも、そんなことはどうしましょう! 一刻も早く安全な場所に移さないと!
何かあったら大変ねぇ! お母さん、
私がこの赤ちゃん育てたい!
いいでしょ、お願い! ユフィ、あなたは子育ての経験ないでしょ?
子供を育てるのは本当に大変なのよ。 私たちの種族の存続がかかっているから、
集落全員で話し合って、
誰が責任か決めるべきね。 できるだけ経験豊富なエルフがいいと思うけど。 いやよ!
私が祈って誕生した赤ちゃんなんだから、
私の赤ちゃんよ! ユフィ、気持ちはわかるけど、
今回ばかりは諦めて。 心意気は素晴らしいけど、
この男子を絶対に失うわけにはいかないの。
わかるよね? 絶対にいや!
私がずっと願ってたの、知ってるでしょ? 誰にも渡さないんだから! ねぇ、赤ちゃん、
ユフィママがいいよね? んー、あ、立った!
あら、かわいいよ、チンチン! これは立派な男子に育ちそうね!
ほら、ほら、赤ちゃんもユフィママがいいって! 今日からよろしくね!