お久し振りです、坊ちゃま
こんにちは、坊ちゃま
ご無沙汰しております。
きゃっ!?突然大声をあげて驚かないで下さい
もう…この前、ご連絡を差し上げたじゃないですか
ほら、近日中に坊ちゃまの所に移らせて頂きますって…
思い出されました?
むう…本当に忘れていたのですね
ご実家に暮らされていた時は、よくお世話していた紫苑の事など、もう過去の人なのですね…ぐすっ
なーんて、冗談ですよ♪
うふふ、私が来る事を忘れていたのはお気になさらないで下さい
それだけ、坊ちゃまのお仕事が大変だという事は、私も重々承知していますから
はい、旦那様からお聞きしていますよ?
坊ちゃまが独り立ちして、とても頑張っていらっしゃるということを…
本当ならこのように一人暮らしをされなくても良いのに、敢えて自らを鍛える為にご実家を出られたのですよね
私もそんな坊ちゃまがとても誇らしいです
ですが、こうして私を坊ちゃまの所に送り出されたのは、旦那様も父親として心配されているのでしょう
せめて、お仕事に集中できるよう、以前のように家事全般をまたお勤めさせて頂きますね
あ、あの…
坊ちゃまはお嫌ではありませんか?
せっかく一人暮らしを始められたのに、私がお世話していてはその醍醐味といいますか…自由が奪われてしまわないか心配で…
本当ですか?良かった…
そう言って頂けますと嬉しいです
では、早速坊ちゃまがどのような暮らしをされていたのか、お部屋を拝見させて頂きますね♪
え?恥ずかしい…?
ふふ、何を仰っているんですか♪
少しくらい散らかっていても、何も問題ありませんよ?
それに子供の事からのお付き合いなのですから、今更恥ずかしがらなくても…
それでは失礼致しまーす…
あっ…ここが坊ちゃまがお住まいのお部屋なのですね
な、なるほど、確かにあまり綺麗に使われていないご様子
お洋服は床に放置されたままですし、テーブルの上にはゴミがいっぱい…
このビニール袋はなんですか?
これは…お弁当?
見た感じだと、今日食べる為に買った訳ではなさそうですね…
えっと賞味期限は…と
うっ…これ二週間前のじゃないですか!
何で未開封のままこんな所に…?
飲み会の後に酔っ払って帰ってきたら、何故か持ち帰ってたって…
もう…何やってるんですか、まったく…
それにほら、カーテンも閉まったまま
部屋が薄暗いと気分も暗くなってしまいますよ?
んしょ…
窓も開けて空気を入れ替えないと…
ふぅ…なんとなく想像はしてましたけど、私の想像より少々上をいく散らかりっぷりでしたね
あぁっ、そんなに落ち込まないで下さい
確かに散らかってはいましたが、そこまで落ち込むほどの事ではありませんよ?
ええ、仕事に忙しいと中々、家事に手が回りませんし、一般的にもこのように部屋を散らかしてしまうことが多いとか…
一人暮らしを始めて、最初は綺麗にしていた人が段々と…なんてよくある事なんです
ですから、坊ちゃまもあまり気に病まれないでください
むしろ、散らかっている方がメイドとしましては、燃えるといいますか…俄然やる気が湧いてきますし♪
さてと、これからここが私の職場になる訳ですし、早速綺麗にしていきましょうか
あっ、お掃除している間はいつものように寛いでいて大丈夫ですよ
えっ?お手伝いですか…?
そ、そんな、坊ちゃまにお手を煩わせるような事は…
はい…ありがとうございます
ふふ、坊ちゃまは相変わらずお優しいのですね
このような事はメイドの私に任せていればいいのに…
それでは坊ちゃまはこの万能クリーナーでお使いになってる机やテーブルを拭いて頂けますか?
はい、パソコンやテレビにも使えますので、付いている埃をそれでふき取って下さいね
見違えるようにピカピカになると思いますよ?
ふふ、楽しそうにお掃除しちゃって…♪
私も坊ちゃまに負けないよう、頑張らないと
えっと、まずは床に置いたままのお洋服を…