Track 6
……ん?
おやおや、目を覚ましてしまったか。
まだ寝ておればよかったものを……そなたの寝顔はなかなかに愛らしいものであったでな。
今しばらく、眺めておりたかったのじゃが。
目を覚ましたのならば、そなたはもうこの社を去らねばならぬ。
人の子が、いつまでもこの社に留まるわけにはゆかぬからじゃよ……ククッ、そう名残惜しそうな顔をしてくれるな。
あまりねだられてしまっては、そなたを儂の元に置いておきたくなるではないか……たとえ、どのようなコトになろうとも、なぁ?
……さて、どうなってしまうのかのぅ?
ククッ。
わかっておるのは、儂には何の変わりもないということじゃ……何かあるのはそなたの方。
人の子であるそなたが、こちら側にいることが問題なのじゃからな……さぁ?
知らぬな。
わかったのなら、しっかりと目を覚ませ。
しゃんとして、この社を去るがよい。
そうじゃ、これより続く道を、ひたすらにまっすぐ進めばよい……決して、後ろを振り向かずにな?
誰に呼び止められようとも、誰に誘われようとも、足を止めてはならぬぞ?
そうそう……鳥居の隙間を覗くことも禁ずる……覗き込めばどうなるか、儂でも想像が付かぬ……ククッ。
さぁ、もう立ち去るがよい。
儂を振り返ることなく、ひたすらに駆け抜けてゆくのじゃよ?
ん……?
なんじゃ、名残惜しいの……ん♪
んん、んちゅ、ちゅっちゅ、んちゅ、じゅる。
ちゅぷちゅぷ、ん~っちゅ、じゅるっ、ちゅっちゅ、ちゅぶぶ、ん~っちゅるん……んむん、ちゅぶちゅぶ、んちゅ、んむんむ、ん~っちゅるん!
……んっふ、ふはぁ、はぁはぁ、あぁ。
まったく、立つ鳥跡を濁しまくりじゃなぁ♪
あまりに熱烈では、また儂の女に火がついてしまうではないか……じゃが、これにて別れじゃ。
そなたとのひととき、愉快であったぞ♪
さぁ、ゆけ。
決して振り返るでないぞ?
脇目も振らずに駆けてゆくのじゃ……もっとも?
そなたが儂を楽しませるために存在するのであれば、また会うこともあるじゃろうがな♪