Track 1
渡したいモノがあると言うことですが、今日は何ですか?
プレゼントの類(たぐい)なら受け取らないと、前にも言いましたよね……え?
あぁ、またラブレターですか?
……ほっ。
べ、別に安心したワケじゃないですよ?
それにラブレターだってプレゼントのようなモノですし、もう何度もいただいているんですから……中身?
今ここで読むんですか?
おかしな子ですね……あら?
いつもとは違っ……はぁ!?
えっ。
こ、これ……婚姻届じゃないですか!
あぁっ、もう記入されてる?
ちょっと、これは冗談が過ぎますよ!?
あぁはいはい、冗談じゃないんですよね。
キミはいつも本気で、私なんかを……え?
誕生日?
あぁ、そうだったんですか?
それはおめでとうございます……は。
はぁ!?
結婚できる年齢になったからって……ほ、本気で?
うぅ……そうですよね。
キミはいつでも本気なんですよね。
真剣に、私みたいな年増に恋愛感情を持って……ですけどっ。
それこそ何度も何度も……もう口が酸っぱくなるほどいいましたけどっ、何で私なんですか!?
キミはモテるんですから、同じ年頃の女子たちと素敵な恋愛をすればいいじゃないですか!
年齢は関係……あ、ありますっ。
キミにはなくても、私にはあるんですよっ。
私よりも
ムニャムニャ歳(さい)も年下なんですから!
私が気にするんです~……それにっ。
わっ、私はキミの担任教師でっ、キミは私の教え子じゃないですか!
関係ありますっ……年齢もっ、職業もっ、色々と問題があるんですってば~!
あぁっ、もう~っ。
はぁ~……このやり取りも、もう何度目ですか。
真剣に数えなくていいですっ……飽きるほど繰り返した、と言ってるんですよ……。
あっ、諦めるのはキミの方です!
あぁ~、もぅ~……うぅ、その質問ももう飽きました。
何度答えても同じです。
教え子を恋愛対象にはできません。
……そ、それは、もうすぐ卒業かもしれませんけど……。
卒業しても、キミが私の教え子だったコトに変わりはないでしょう?
世間一般ではそうかもしれませんけど、私は……で、ですからっ、私は……わっ、私は~っ、あぁん!
こ、こらっ。
そんなに近づいたら……そんなに迫っちゃ駄目でしょう!?
ほら、離れて?
今なら怒ったりしませんから……お、怒りますよ?
怖くなくても怒りますっ……あっ。
本気、なのは……ごくんっ、もう知ってますってば……で、でも、交際もせずいきなり結婚だなんて……っじゃなくて!
教え子と交際する気は……嫌いじゃないですけどっ。
好きっ……かと訊かれても、答えられませんからっ。
ですから答えてませんっ……だから、顔……寄せす……ぎ……
ん!
んんっ、んっぷ、んぅん!
んむっ、んんぅ。
んむっ、んぅん、んっふ……んんっ、んーっ、んむぅう!
う、うう、うちゅ、ちゅる。
ちゅむちゅむ、んんっふ、うじゅ、ちゅるる!
んっふ、ふーっ、ふーっ、ふーっ、んう。
ちゅぶちゅぶ、んん、んむんむ、んぅう……っぷはぁ!
はぁっはぁっ、んはぁはぁ、ご、強引すぎますよ……ふはぁ、はぁはぁ、ふはぁ~~。
あぁもう、校内でなんてコトを。
駄目に決まってるでしょう!?
こんなところ誰かに見つかったら、キミがっ……キミの内申にも響くし……へ?
あ、あぁ、そうでしたね。
もう進路は決まって……って!
そういうコトじゃないんです!
私だって教師として……むぐぅ!
うむっ、んむんむ、んっちゅ、んぅうう!
ちゅぶっ、ちゅむちゅむ、うちゅ、ちゅる、じゅるじゅる、ぅん。
んむっ、んむっ、んっぷ、んぅうう!
むーっ、むぅううう!
……っぷはぁ!
だ、だからぁ、私の立場も~……べ、別に、キミに養ってもらいたいワケじゃありません!
私は社会人として立派に独り立ちして、教師としての人生を全うしたいんですっ。
ですから、結婚しても仕事を辞めるつもりは……きっ、キミと結婚すると言ったわけではっ。
あむっ、んぅん!
んっちゅ、んんっちゅ、んぅん。
ちゅむっ、ちゅぶちゅぶ、んっふ、うじゅる、ちゅぶ、ちゅぶぶぶぶ……んぅう、んっふ、ふ~、ふ~、んぅん、んっちゅ~。
ちゅっ、んんんっ……んっは!
あっ、こら。
おかしなところさわっちゃ……あん!
あっふ、んん、んちゅ、ちゅるる、ちゅぶちゅぶ、うじゅるるる。
んん、んん、んむぅう。
ぷはぁ、はぁっはぁっ……ほ、本当にもう駄目。
キミが本気なのは、もう十分わかりましたから。
わ、私も別に……嫌い、ではないですし……でもっ、婚姻届はまだちょっと。
あぁ、わ、わかりましたってばっ……これ以上キスされたら、おかしくなっちゃいます。
それにこのエッチな手!
んもう、さわっていいなんて言ってないですよ?
キスだって。
だから、その……イヤじゃないですってば。
そうです。
う、嬉しい……です。
あぁん、やだもう。
教え子に迫られて、こんな告白……ごくん。
駄目と言うか、おかしいと言うか。
はいはい。
愛に年齢も職業も関係ないのね。
だからって、いきなり結婚はないでしょう?
キミだって私のこと何でも知ってるワケではないのに……まぁ、それはそうですけど。
そうね。
お互いのすべてを知り尽くしてるなんてこと、どんなに仲のいい夫婦でもあり得ないでしょうし……と、とにかく、この婚姻届は預かっておきますっ。
記入は……まだ。
キミがちゃんと卒業して、もっとしっかりとした大人になったら……大人になるって言うのは年齢が上がると言う意味ではないですよ?
教養や分別を持って、独り立ちをして。
そうね。
キミが就職したら……へ?
そ、そうね。
まだちょっと先の長い話ね。
その間?
な、何を我慢できるかって……なっ、なぁあ!?
ちょっとキミ、何を言って……あぁっ。
あん!
ちょっ……こらっ。
だからさわっていいなんて……あぁん、キスも駄目っ。
あ、あぁ、校内でこれ以上しちゃ駄目なんですってば~!
あぁんもう、強引すぎます~!