パート4
ん、さっきよりは、雨も弱くなってきたみたい。……そのうち雨も上がっちゃうかもね。
ようやくお待ちかねのバスが、到着したみたいよ。
ん? 私も? ……私は……いいのよ。私はバスには乗らない。……うん、いいの。
ほら、早く乗らないと、バスの運転手さん、困っちゃってるわよ。……はいはい、早く乗った、乗った。
また会えるか? んー、そうね……。そのうちどこかで、また会えるかも? ふふふっ……。ばいばい。
【昔話つづき】
さて……、待ち続けた狐はやがて行商と再開し、大恋愛の末いつしか契りを交わし子を儲けたのだという。
そしてその子孫は今もなお人里離れた森の中でひっそりと暮らしているのでした。
ふぅ、『狐に化かされる』か……、私からすればお母様とお父様の恋愛話なのよね……。
お稲荷ひとつで尻尾をふったお母様だから半信半疑だったけれど、
ふふっ、お母様の言うとおり、人間の雄も悪くないかもね♪
私もあなたにまた会える日を待ちわびそうだわ。