ガイダンス
こんにちは
キミは・・・あ、待って、当ててみせるから
機械人形の実験の協力者・・・でしょ？
なんで分かるのかって？
こうみえて私はキミのようなテスターの受付をずっとやってるんだから
うん、キミなら大丈夫
いいテスターになるよ
おっと、自己紹介がまだだったね
今日は実験の協力ありがとう、私は機械人形開発プロジェクトのゼネラルマネージャーよ
ああ、ゼネラルマネージャーってのは普通の会社で言うところの部長みたいなもんだよ
いや、そんなに偉いわけじゃないからかしこまらないでよ
はぁ、こんな隔離されたような支部で部長任されてもって話だよ
最先端の実験施設だからこういう不便な場所にしか建てられないのは分かるけど、ぱっと見は左遷先みたいじゃない？
まぁ、機械人形に一番近い環境は望んだことだけど、さすがに研究所で暮らすと外の人と話す機会がなくてねぇ
現住所が研究所ってどうなのって思わない？
ああ、ごめんね
ひけんた・・・じゃないじゃない
テスターの人がウチに来てくれるのが楽しくてね
ちょっとはしゃいじゃったよ
で、本題に入ると
今回の実験はうちが開発してる機械人形の性能テストなの
今までの機械人形以上にAIをいじったからねぇ
それがどういう結果を出すかをみたいってこと
機械人形がどんなものかは、知ってるよね？
あ、見たことある？
プロモーションの映像かなにかかな？
だったら、多分第四世代の量産型機械人形だね
それは重畳（ちょうじょう）、話が早い
キミにはその第四世代のカスタム機の相手をしてもらおうと思ってたの
あはは、喜んでもらえて私も嬉しいよ
機械人形は私の子供みたいなものだからね
え？献身的で可愛いところがいいって？
あ、ああ、機械人形ね
・・そうだね、まぁ可愛いよ？ほんと
ただ、性格は出回ってる第四世代とはちょっと違うけど・・・
まぁ、カスタマイズする上で性格も同じじゃつまらない的な？
細かい事はおいておこうよ
ええっと、じゃあ早速ラボに行こうか？
キミのお相手はそこで待ってるからさ
ちょっと離れた場所にある別館だからちょっと歩くけど、よろしく
はい、到着！
ここは普段使われていないラボだから、手数をかけたけどここが機械人形のラボよ
キミの相手となる機械人形はいろいろ理由があって、ここで独自に実験するの
いろいろってなんだって？いろいろはいろいろだよ
企業機密だから、秘密
まぁ多分そのうちに分かるから楽しみにしててよ
さて、そこのケージを見てごらん
その子が今回キミの相手をする機械人形
アプリコットだよ
どう？可愛いでしょ？
それだけじゃなくて頭もいいのよ？
普通の人間と同じように考えるし、学習もする
感情に対する理解も今までの機械人形よりも進化してるの
加えて、見てるだけだとわかりにくいと思うけど、流通してる量産型よりも良質な材料で作られてるの
そういう意味ではより人間に近づいた現段階最高の機械人形
世界でたった一機限りのカスタムバリエーション
プロモーションで見た量産型とは見た目が似てる以外は別物だと思ってちょうだい
じゃあ、早速この子の説明するね
機械人形開発プロジェクト 第四世代カスタム機 固体名 アプリコット・ディープカラードカスタム
機械人形の完成形である第四世代機を特殊な需要に応えるべくカスタマイズした機械人形
第四世代の特徴である人間らしさ、機能の高さをそのままにAIを大幅に変更
特殊な需要に最大限に応えられるよう、性格、思考回路を極端に調整した
マスターがこの調整を所望するならば、他では得られない満足感を得ることが確実である
これは、性的な刺激を身体と精神に止めどなく与え続けることを約束するものである
極端にすぎるため一般に想定されるマスターであるならば、この限りではないことは横に置くとして、性格や限度の調整などにおける問題点は未知数であることは懸念事項である
アプリコット起動
アプリコットご挨拶
〈こんにちは、マスター、私がアプリコットよ あはは、楽しもーね？〉
ということだから
特殊な需要がなにかって？
ああ、多分大丈夫！キミにはその素質があるから
きっと大丈夫！てか、絶対大丈夫！
この子は限度知らずだから、いくとこまで行くと思うけどキミにとってはご褒美になるよ？
私が保証するよ
ああ、質問に答えてあげたいけど、あんまり話しちゃうと楽しみが減るよ？ね？
うんうん、楽しみはとっておかないと
で、この子の実験に付き合ってくれるってことでいいよね？
じゃあ、契約書にサイン、お願いね
はーい、ありがとう
あ、後これ聞いておかないと
キミ、ここに来ること誰にも言ってないよね？
機密事項だから口外厳禁って事前に連絡したでしょ？
うん、良かった
ああ、まぁ、機密だから
機密なんだからしょうがない、そういうことだよ
じゃあ、ケージが開いたら実験開始だから準備をよろしくね
この子は最凶の機械人形だから楽しんでね
最凶の凶は、凶悪の凶だけどね（ぼそっと）