導入
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あら、君…パーティーを抜け出してきたの?
いいえ…私は雇われの身…参加することはできないんだけど…
あ、でもそのお酒は頂くわ…ありがとう。
んぐ…ん…はぁ…体を動かした後の一杯は最高ね♡
君はいつこの国へ来たの?
へぇ‥大変でしょ、この国の言葉難しいし…
そうそう。独特なアクセントがあって、
間違えると嫌われちゃうのよ‥
私?私は南の国から出稼ぎに来てるの
通貨の格差があるから…
こっちで稼ぐとあっちでは大金になるの…
うふふ♡そう、やめられないわ…
話は変わるけど…
つい最近この町に有名な催眠術士が訪れたのよね…
お客さんの間では結構話題になってて、
私もどんなものかと思って試してみたんだけど…
すごかったわ…なんていうか自分の心が言うこときかなくて
理性が取り除かれて、本能と欲望のままの自分でいられるの…
うん。そうそう、一応意識はあるんだけど…
なんか暗示の言葉に逆らえないの…
これは使え…いやなんでもないわ♡
でね、その催眠術師と少しだけ…仲良くなって
教えてもらったのよ、秘伝の術とやらを♡
ここさ、二人きりになれるし…よかったら、試させてくれないかな
そうよ、私があなたに催眠を掛けてみるの…
大丈夫、そこに机があるでしょ…
楽にしてくれればいいから…
うふふ♡あ、ちょっと待ってあのね、確か準備運動みたいなことしたような
そうそう、えーと。まず首の運動だっけ
こう、首をグルグル回して…
そっ、そんな感じ…
その後肩をキュって縮めて、リラックス…
それの繰り返しを何回かやって。
あと、手を組んで背伸びしてみて。うんそれそれ。朝起きた時にやるよね。
次はお腹を思いっきり引っ込めて…
あはは♡なんかマッチョマンみたい♡
最後に数回膝を曲げて…脚の運動だよ。
少し深呼吸してみよう…
吸ってー
はいて…
吸ってー
はいて…
よし、これで準備完了♡
机の上で仰向けになって…
あ…お酒に酔ってるからって寝ないでね
まぁ、寝たら起こすけど♡
さてと、目を閉じてもらってもいいかな?
安心して、変なことはしないから♡
今から私が言うことをイメージしてみて…
休日の朝、あなたは自分の寝室でいつものように朝食を取っている…
目の前には卵焼きとフランスパン…
パンにバターを塗って、あなたそれを頬張る…
清々しい朝…窓からは日差しが入ってきている…
窓から外を眺めてみる…木々が風に揺られている…
気持ちいい空気の香り…上を見上げると青空が綺麗…
そうやって一日の始まりを満喫していると
次第に時は流れ、太陽の光も地平線の彼方へと消えて行く…
夕焼けを眺めながらあなたは瞳を閉じる…
太陽の暖かさがまだ額に届いている。
気づけば夜…今度は月の優しい光が窓から降り注ぐ
貴方は暖炉の前で美味しいお肉を頬張りながら
ワインを味わう…赤紫に染まったぶどう酒を貴方は見つめる…
液体を軽く揺すってみる…上品な香りが漂う…
食事に満足したあなたは部屋の灯りにふっと息をかけて暗闇を歓迎する…
今あなたは落ち着いている…
静かに…静かに…
あなたの心は黙りこむ…
何も考えず…何も気にせず…
ただ私の言葉を聞いているだけでいい…
ここで両手を少しぎゅっと握り締めて…
放して…身体の感覚も薄れてきてる…
体全体の力が抜けていく
あなたのオーラが吸い上げられるみたいに
眠りの世界は近づいている
あなたはそのギリギリの所で意識を保っている。
目の前に振り子が思い浮かんでくる…
ゆら…ゆら…
右へ…左へ…右へ…左へ
あなたの視線はその軌道を辿っていく…
私の声は聞こえているけど、そのうち聞こえなくなるかもしれないね
今から私は100から順に数えていくわ
数えてる間、目を右に、左に揺らしてみて
振り子を辿るように…
そして数字がゼロになったら自分の心の奥そこに届いているイメージをしてね…
いくわよ…
100
99
98
97
96
95
94
93
92
91
90
89
88
87
86
85
84
83
82
81
80
79
78
77
76
75
74
73
72
71
70
69
68
67
66
65
64
63
62
61
60
59
58
57
56
55
54
53
52
51
50
49
48
47
46
45
44
43
42
41
40
39
38
37
36
35
34
33
32
31
30
29
28
27
26
25
24
23
22
21
20
19
18
17
16
15
14
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