プロローグ
1. プロローグ
「こ、このままではプータローさんになってしまう!」
短大卒業できたはいいけどお祈り続きの体育会系少女、三日月栞は山になった不採用通知に埋もれて叫んだ。
とかくこの世は就職難。今を逃せば新卒カードは使えない。
花嫁修業でもするかなんてあまっちょろい考えはママンとパパンが許さない。許してくれなかった。
過ぎる過ぎるよ時間は過ぎる。周りはどんどん就職してる。
自分と同じ立場の友人は結婚という道を選んでゴールイン。気の早い奴ぁ子供まで産んでる始末。
どうする栞、どうなる栞。白ヤギさんからお手紙届いた。また不採用通知だ。黒ヤギさんはいない。
こうなりゃいっそ結婚だ!相手がいない!そもそも生まれてこのかた彼氏がいない!
新卒タイムリミットは目前、もはや後がなくなった栞は普段使わない脳みそ使って思いついた!
「そうだ、片っ端から飛び込もう」
電車に飛び込むよりかはマシだよねとリクルートスーツに身を包み、カバン一杯に履歴書を詰め込んで旅に出た。
どこでもいい、どっかないのかと彷徨ったその先に見つけたのがなんかすごそうな大企業。
ここなら自分もイけるかも!と飛び込んだ結果……採用されちゃったよ。しかも営業課。
なんでも会社に入った矢先にぶつかりそうになった溝呂木玲子という女性が社長に掛け合ってくれたとかなんとか。
うぅわやったー。世の中捨てたもんじゃないんだー。
自分の実力がそのまま結果に繋がる仕事に就けた栞は、頼れる優しくて美しい玲子先輩に導かれ社会人としてのやる気を燃やす。
めっちゃ燃やす。メラメラ燃やした。
入社した会社が、性奴隷の調教と開発グッズが売りだという事になーぜか気がつかないまま。
そんなこんなで最初に任されたお仕事はなんと財界人や大手企業の社長幹部達を前にした新商品の説明イベント。
まだミーティングの段階だというのに、あまりにも大きいプレッシャーにチワワみたいに震える栞。
そんな栞にいつもの優しい笑みを浮かべてベテラン社員の玲子先輩が言う。
溝呂木玲子「大丈夫よ、あなたはただ私の隣に居てくれればいいの」
溝呂木玲子「これは、私から愛する後輩へのプレゼント……特別な経験をして、新しい世界に自信を持って送り出してあげるわ」
ありがてぇ涙がでらぁとプレッシャーが流れ落ちた栞は、玲子先輩に背中を押されはしゃぐチワワみたいに企画に取り組む。
それがまったく偽の企画というのにぜんっぜん気がつかないまま。
そして当日。のべ数百人が集まった大会場。
ざわめきの声で目を覚ました栞は、あの日玲子先輩が言った通り隣に居ればいいだけの状態になっていた。
ほへ?っと首を傾げていると、マイクを持った玲子先輩が楽しげな声を響かせる。
溝呂木玲子「これからご紹介する商品は、女性専用の自動性奴隷調教マシンです」
おぞましいセックスマッスィーンに裸で拘束され巨大モニターでお尻のシワまで晒された栞の運命やいかにぃ!
頑張れ栞!
負けるな栞!!
君の明日はちんぽだ!!!