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■あね08『まるで妹のようにちっちゃなあね』
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え!? ひゃぁああっ、ちょ、ちょっと何!?
いきなり開けないでよっ、いいから出て……は?
ぅぬ~~っ、ちっちゃくないよ!
アンタの方が無闇にでっかいだけで……じゃなくて!
と、とにかく出てって……出てけ~!
……っぷはぁ、はぁはぁ、まったくもう。
人が着替えてる時に限って入って来るんだから……いつもいつもタイミング良すぎじゃ……あ。
んしょ、んしょっと……はい、いいわよ~?
それで何の用?
え……何よそれ、そんなの後にしてよね。
それより私も用あったの。
忘れちゃいけない大切な用事……ほら、これ。
……いつもので悪かったわね、私だってこりごりよ……ちょっ、せめて見なさいよ!
今時、ケータイじゃなくてちゃんと手紙に書いて……だから番号もメールも教えてないでしょ?
アンタが誰にも教えるなって言うから、いつも私がラブレターもらう役目で……え?
今日は2年生。
ほら、アンタがこの前……あぁはいはい、お断りするのね……もういい、分かった。
今月最初の残念賞……あーぁもったいない、結構可愛い子だったのになぁ。
お姉ちゃんも、ああいう子だったらアンタを任せても……ねぇ、そもそも年上が駄目なワケ?
違うの?
もしかして年下好き……ロリコン?
ちょっとやめてよね、うちから犯罪者を……あぁはいはい、冗談でしょ、も~……は、はぁ!?
私のどこがロリなのよぅ!
身長のことは言うな!
うぅ~っ、それもこれも、アンタが私の栄養を奪ってるからこういうコトに……今日だって唐揚げひとつ奪ったじゃないの!
横になんて伸びないからいいの!
ちゃんと運動してるんだから!
で、でもいいの。
すぐに成長期が来るから。
だってほら、お父さんもお母さんも、アンタも大きいんだから、私だけちっちゃいのはおかしいで……ちっちゃくないってば!
うき~!
サルじゃないもん!
いいえ、サルでもいい、背が高くなるのなら……ならない?
むぅ~……は?
サルより可愛いって私のこと言ってるの?
サルと一緒にしないでよね、んもう!
あ~ぁ、なんでそんな口悪いクセに、こんなにモテるわけ?
やっぱり身長?
背が高くなれば私もモテる?
……べ、別にモテたいワケじゃないけど……大人っぽくは見られたい、な。
だってもう今年で卒業だし、春には大人の第一歩を踏み出すワケだし……なるの!
見た目だけは大人っぽいアンタと違って、中身も立派な大人になるのが目標なんだから……え、胸?
ど、どこ見てんの、も~っ馬鹿、エッチ、スケベ!
むむ、胸ばっか大きくたって意味ないでしょ!?
バランス悪いもんっ……それに、妙に敏感だし……なんでもない!
あぁ、せめて私の方が妹なら、見た目だけは問題なかったのに……なによぅ、あんたもそう思ってるワケ?
フンだ、お姉ちゃんで悪かったわね……ふん……なによ、ホントにそう思ってる?
そ、そう、可愛いお姉ちゃんで良かったわね。
もっと自慢してもいいのよ?
そう、そう……はぁ?
だーかーらー!
ちっちゃいのは私のせいじゃないわよーっだ!