Track 3

お風呂上がり、おねえさんの体温と香りに包まれて、おやすみなさい。

ふは~、お待たせ~。 湯船につかったから、お隣君も疲れとれたよね? ふふ~私もほっこりで髪も乾かしたばかりだから、ふわふわだよ~ほらほら。 お隣君が好みなのは、シャンプーと石けん、どっちの匂いなのかなぁ~。 どう違うか匂って調べてみて。 はい、どうぞ~♪ あ、せっかくだから、私もお隣君のくんくんするね~。 こういうの…えっと、匂いあいっこ? ふふ、いいから、してみよ? うん…。 …くんくん、すぅ~はぁ♪ すんすん、すぅ~くんくん、ふぅ~♪ くんくん、くんくん、ふぁあぁ~♪ お隣君、いい匂いだよ~。 私はどんな匂いがしてるの? いい匂い? 私の匂いって、お隣君、どんなだか教えてくれる? うーんと、甘くって~ほわほわ~ってするの? 難しいねぇ~私の匂い、私の匂い…。 えっ、お隣君いきなり私のベッドにだーんってして、どうしたの? へ、布団や枕から、私の濃い匂いが…そ、それはちょっと恥ずかしいなぁ~。 そんなに必死にくんくんして、ワンちゃんみたいだよ~? 気に入ったの、私の匂い? もぉ、仕方ないなぁ…じゃあいっぱい匂いに包まれてみる? え、どうやってって…こーするのぉー、えいっ! お隣君の上に乗っちゃいました~そしてぴったりぴたぴた♪ ほら、これでいっぱい匂えるよ? どう? …安心する? じゃあ、今日はこのままここで、寝ちゃう~? いいの…気にしないで、寝ちゃお? うん、いいんだよ…ゆっくりゆっくり…息を大きく、吸って吐いて…ふふ、私は自分の匂いだからちょっと恥ずかしいけど、嬉しいよ~。 お隣君が気に入ってくれた事…。 何で? だってお隣君、ひとりでお里から出てきて、これから大学に行くわけでしょ~。 しかもこの階、私しか住んでないし…。 そういうの、心細いじゃない。 ね…だから…。 …私が抱っこしてあげる。 うん、このまま寝ちゃお。 今日は私がお隣君の抱き枕になったげるね~ ぎゅう~ぎゅ~♪ ふふ、これじゃどっちが抱き枕かわからない? んふふ~じゃあ、抱かれ枕かな? ホントは…私が寂しかったのかもね、うん…ぎゅう、ぎゅうぅ~~♪ お隣君、私あったかい? ふかふかで、ぽよぽよ? うぅー私そんなに太ってるかなぁ…。 そんな事ないけど、ぽよぽよ? え…ぎゅうって胸でされると、心がぽよんって跳ねて、いい匂いの中に、自分がじわーってとけて広がって包まれる…すごく安心する? ふふ、嬉しいなぁ…私もね、お隣君をぎゅう~ってすると、胸の奥がふわわ~ってするよぉ~。 こんな言い方ダメだけど~お気に入りのかわいいぬいぐるみを抱っこしてるみたい♪ え、それでもいい? お隣君は、優しいね~。 じゃあ電気も消しちゃおうね…ふふ~私は賢い子なので、ベッドの横まで電気の紐を引いてるの~。 はい消えました~。 真っ暗だけど、大丈夫? …ここ、おっきな道路から離れてるから、夜は静かなんだよ。 聞こえる? 私の息とお隣君の息…す~す~って。 暗いから音に集中できるでしょ~。 え、それよりも胸に耳が当たってるから、私の心臓の音が聞こえる? どんな音か教えて。 うん、うん…トクントクンって早くなったり、トク、トクってゆっくり懐かしい音もする? 懐かしい…聞いたことないのに、どこかで聞いた音? そうね~お隣君は、ちゃんと命の音を聞いて、育ったんだよぉ~。 忘れちゃだめだよ~。 この音、忘れちゃだめ~。 忘れちゃ、めっ。 聞いてたら安心して、まぶたが重い? いいよ、目閉じて…。 ゆっくり、息しようね~。 そう、吸って~吐いて~。 私の息に合わせてね、ゆっくり大きく息して~。 す~~はぁ~~、すぅ~はぁ~ す~はぁ~、すぅ~は~ す~~はぁ~、すぅ~は~ すぅ~は~すぅう~はぁ~ す~~はぁ~~、す~はぁ~ 息、穏やかになってきたね~。 うん、私の胸が動くでしょ~それに合わせて、もっと深くゆっくり息しようね~。 あ、そうだ…せっかくお隣君を抱っこしてるんだから、頭なでなでしてあげる~。 なでな~で、なでなで~ なでなで~よしよーし、いいこいいこ~ なでなで、なでなで♪ 息、とっても穏やかになったね…うん、いいんだよ…そのまま…いっぱい私の匂いかいで、眠って…ぎゅう~ぎゅう~♪ 寂しくないよ…ひとりじゃないよ…。 もし、ここで寂しくなったら、いつでも私がこうしてあげるから…うん、安心して…。 一緒に、いてあげるからね。 おやすみなさい…。