お風呂上がり、おねえさんの体温と香りに包まれて、おやすみなさい。
ふは~、お待たせ~。
湯船につかったから、お隣君も疲れとれたよね?
ふふ~私もほっこりで髪も乾かしたばかりだから、ふわふわだよ~ほらほら。
お隣君が好みなのは、シャンプーと石けん、どっちの匂いなのかなぁ~。
どう違うか匂って調べてみて。
はい、どうぞ~♪
あ、せっかくだから、私もお隣君のくんくんするね~。
こういうの…えっと、匂いあいっこ?
ふふ、いいから、してみよ?
うん…。
…くんくん、すぅ~はぁ♪
すんすん、すぅ~くんくん、ふぅ~♪
くんくん、くんくん、ふぁあぁ~♪
お隣君、いい匂いだよ~。
私はどんな匂いがしてるの?
いい匂い?
私の匂いって、お隣君、どんなだか教えてくれる?
うーんと、甘くって~ほわほわ~ってするの?
難しいねぇ~私の匂い、私の匂い…。
えっ、お隣君いきなり私のベッドにだーんってして、どうしたの?
へ、布団や枕から、私の濃い匂いが…そ、それはちょっと恥ずかしいなぁ~。
そんなに必死にくんくんして、ワンちゃんみたいだよ~?
気に入ったの、私の匂い?
もぉ、仕方ないなぁ…じゃあいっぱい匂いに包まれてみる?
え、どうやってって…こーするのぉー、えいっ!
お隣君の上に乗っちゃいました~そしてぴったりぴたぴた♪
ほら、これでいっぱい匂えるよ?
どう?
…安心する?
じゃあ、今日はこのままここで、寝ちゃう~?
いいの…気にしないで、寝ちゃお?
うん、いいんだよ…ゆっくりゆっくり…息を大きく、吸って吐いて…ふふ、私は自分の匂いだからちょっと恥ずかしいけど、嬉しいよ~。
お隣君が気に入ってくれた事…。
何で?
だってお隣君、ひとりでお里から出てきて、これから大学に行くわけでしょ~。
しかもこの階、私しか住んでないし…。
そういうの、心細いじゃない。
ね…だから…。
…私が抱っこしてあげる。
うん、このまま寝ちゃお。
今日は私がお隣君の抱き枕になったげるね~
ぎゅう~ぎゅ~♪
ふふ、これじゃどっちが抱き枕かわからない?
んふふ~じゃあ、抱かれ枕かな?
ホントは…私が寂しかったのかもね、うん…ぎゅう、ぎゅうぅ~~♪
お隣君、私あったかい?
ふかふかで、ぽよぽよ?
うぅー私そんなに太ってるかなぁ…。
そんな事ないけど、ぽよぽよ?
え…ぎゅうって胸でされると、心がぽよんって跳ねて、いい匂いの中に、自分がじわーってとけて広がって包まれる…すごく安心する?
ふふ、嬉しいなぁ…私もね、お隣君をぎゅう~ってすると、胸の奥がふわわ~ってするよぉ~。
こんな言い方ダメだけど~お気に入りのかわいいぬいぐるみを抱っこしてるみたい♪
え、それでもいい?
お隣君は、優しいね~。
じゃあ電気も消しちゃおうね…ふふ~私は賢い子なので、ベッドの横まで電気の紐を引いてるの~。
はい消えました~。
真っ暗だけど、大丈夫?
…ここ、おっきな道路から離れてるから、夜は静かなんだよ。
聞こえる?
私の息とお隣君の息…す~す~って。
暗いから音に集中できるでしょ~。
え、それよりも胸に耳が当たってるから、私の心臓の音が聞こえる?
どんな音か教えて。
うん、うん…トクントクンって早くなったり、トク、トクってゆっくり懐かしい音もする?
懐かしい…聞いたことないのに、どこかで聞いた音?
そうね~お隣君は、ちゃんと命の音を聞いて、育ったんだよぉ~。
忘れちゃだめだよ~。
この音、忘れちゃだめ~。
忘れちゃ、めっ。
聞いてたら安心して、まぶたが重い?
いいよ、目閉じて…。
ゆっくり、息しようね~。
そう、吸って~吐いて~。
私の息に合わせてね、ゆっくり大きく息して~。
す~~はぁ~~、すぅ~はぁ~
す~はぁ~、すぅ~は~
す~~はぁ~、すぅ~は~
すぅ~は~すぅう~はぁ~
す~~はぁ~~、す~はぁ~
息、穏やかになってきたね~。
うん、私の胸が動くでしょ~それに合わせて、もっと深くゆっくり息しようね~。
あ、そうだ…せっかくお隣君を抱っこしてるんだから、頭なでなでしてあげる~。
なでな~で、なでなで~
なでなで~よしよーし、いいこいいこ~
なでなで、なでなで♪
息、とっても穏やかになったね…うん、いいんだよ…そのまま…いっぱい私の匂いかいで、眠って…ぎゅう~ぎゅう~♪
寂しくないよ…ひとりじゃないよ…。
もし、ここで寂しくなったら、いつでも私がこうしてあげるから…うん、安心して…。
一緒に、いてあげるからね。
おやすみなさい…。