Track 6

06.Roop of existence

【トラック6】 はぁ 全く酷い目にあったよ 二重人格になる薬は失敗作だった …は?ちゃんと違う人格になってた? 違う違う!あんな頭どころか全身お花畑のアホが私の別人格なはずがない!断じて! っていうかキミ 笑ってるけどさ その気になればあの薬をキミに飲ませることもいいんだよ どんな恥ずかしい人格が出てくるかな カメラも用意したしキミの恥ずかしい姿をバラまくこともできるぞ …楽しみだね ま それはまた今度として 今日はその… この前は薬のせいとはいえちょっと強引だったかな…って思うし そのお詫びも兼ねてっていうか… とにかくイベントを企画しました ふふ それは… ここから外を覗いてみて? ね?すごいでしょ?桜が満開なんだよ そう 今日はお花見をしようと思って ほら 前もってネットでブルーシートと食料を買っておいたし準備万端 えーっと 机の上でいいかな…ここに敷いて… よし ここなら桜がよく見えるね ふふふ 部室に居ながらお花見ができるなんてオカ研でよかったねー ほらほら ぼーっとしてないで冷蔵庫から飲み物とおやつ持ってきてよ … ではでは 改めまして オカ研の…特に何も達成してないけど…まあ色々を祝しまして乾杯! …ぷはっ 久しぶりに炭酸ジュース飲んだ気がするよ たまに飲むと美味しいんだよね あ ほら キミも飲んで飲んで んっ いいねー ふふ なんかこういうのっていいねー 日頃の疲れから解放されるって感じ …遊んでるだけじゃないのかって? いやいや ただダラダラ過ごしてるだけじゃないんだよ あの壁の落書きを見張ってるし…色々と調べものもしてるし…私は大忙しだよ ま その落書きには何の変化もないんだけど アレ 本当にいつの間にか増えてるからね ある日ふと増えている気がして それで写真と見比べて初めて気が付く…そんな感じの繰り返し でも大丈夫 今回こそはちゃんと決定的瞬間を捉えるからね …む その顔は信用してないな 私はやると言ったらやるんだから …やったためしがない? いやいやいや 私が入部したばかりの頃は…今とあまり変わってないか ぐぬぬ 返す言葉もない …え?昔のオカ研のことを知りたいの? 昔はねー…どんなのだったんだろうね 正直よく覚えてないんだよねー 日記とかもつけてないしさ ほら 私は過去は振り返らない主義だからさ まあでも部室を漁っていれば過去のメンバーが付けた日記でもあるんじゃない? 彼らについてはよく知らないけどね 私が入部するころにはもういなかったし それにしても こんな日が来るなんてねー ほら キミが来るまで部室には私一人だったでしょ? だから 二人でお花見っていうのがなんだか不思議で 一人だったときも時々こうしてたけどね …寂しくはなかったよ それが私の当たり前…日常生活だったから 繰り返すと何も思わなくなるんだよ …そう 日々は繰り返し 世界はループしてる 当たり前を積み重ねて私たちの印象に残らない日常は回ってる そんな日常を面白くするのが当たり前じゃないこと…超常現象 だからオカルトは面白いんだよ …なーんてね ふふ 何の話をしてたんだっけ? …まあ なんでもいいよね ほらほら 遠慮せずに飲めばいいよ ま 炭酸ジュースだけど ついであげよっか?ふふ って これふたを開けっぱなしにしてたから少し炭酸が抜け始めてるね 危ない危ない… …ぷはっ これはこれで中々… ちょっと刺激が弱くてキンキンに冷えてるわけじゃないけどそれでも美味しいね 炭酸ジュースを発明した人は天才なのでは… さ ちょっと脱線したけどオカルト談義を続けようか そういえば桜の木と言えばその下には死体が埋まってるって噂があってさ なんでもそれは女子生徒の… … ってわけで世の中には未だ解明されていない謎が …って 大丈夫?なんか疲れてそうだけど 眠くなってきた?…そっかそっか いいよ このまま眠っちゃっても…っていうか私も少し あ そうだ キミさえよければなんだけど 今日は私のひざまくらで眠ってみない? 部長に甘えるまたとないチャンスだぞー わっ ふふ いい子だね よしよし…私のひざまくらはどう?気持ちいい? ってそれどころじゃないよね …それじゃ一つだけ また私とお花見してくれるかな? …ふふ ありがとね それじゃ お休み…