1.プロローグ。
1.プロローグ。
さて、それじゃあ取り調べを始めるわね。
……キミ、大丈夫? そんなに怯えなくてもいいのよ。これはちょっとした事情聴取なんだから。
……そうよね、不安よね。いきなり警察署に連れてこられたんだもの。
ごめんなさいね、無理矢理連れてきて。でも安心して。ちょっとお話したら、すぐに帰れるからね。
ここ数日、毎日のように被害が出ていた痴漢事件……知ってるでしょ? あなたは、その重要参考人として連れてこられたの。
キミは……まだ若そうだけど、学生さんかな? 駅のホームや電車内に設置された監視カメラに毎日写っていたのは……そう、やっぱり通学ルートなのね。
今回の痴漢事件はね、ちょっと被害規模が大きくて。こっちも大変でね。
被害に会ったのは女子高生、OL、主婦、教師にモデル……年齢も、下は18から上は38まで。見境なし。
痴漢自体の手口は単純。通勤ラッシュの満員電車に乗り込んで、ターゲットの背後に忍び寄り、胸やお尻を触る……。何日も逃げおおせたおかげかどんどんエスカレートしていって、昨日の被害者に至っては、下着を脱がされて直に局部に触れられたとか……。
しかも、それを隠し撮りして裏ビデオとして販売。海外の動画サイトにもずいぶんばら撒かれたみたいね。顔が映って、外を歩けなくなったって人もいる。
……だから私達警察は、あらゆる手段で犯人を探すことにした。そして私は、電車の中で潜入捜査をしていたの。OLのふりをして、怪しい車両に乗り込んでね。
そうしたら、キミが……。
うん、わかってるわよ。電車が揺れて、たまたま手がお尻に触れただけだって。だからあくまで、キミは重要参考人。私もぜんぜん疑ってなんかないわ。一目見てわかるもの。
でも……私よりも上にいる人は、そうじゃない。
キミはこの事件の最中、毎日同じ時間、同じ電車、同じ車両に乗っていた。そしてそんな人間が、故意か事故かは不明でも、私に痴漢行為をしてしまった。……疑われても、無理はないでしょ?
今回の事件に関しては、他に全く手がかりがないせいで上も焦ってる。早く解決しないと面目丸つぶれだって。
だから……ごめんね。実はキミは……しばらくの間、ここで尋問を受けることになっちゃった。
ここはただの取り調べ室じゃない。被疑者を監禁して、自白するまで徹底的に責め立てるための特別懲罰室。……当然、非合法のね。
もう“僕はやってません”じゃどうにもならないの。上は、もはやあなたを犯人と決めつけている。だから……今から、あなたを尋問します。
大丈夫、落ち着いて。痛くしないから。ただ……ちょっと、恥ずかしい目に合うだけよ。
うん、そう。今からキミに、すごく恥ずかしい……えっちなお仕置きをします。
普通の男性なら、恥ずかしくて、情けなくて、すぐに自分の罪を認めちゃうようなお仕置き。
でも、キミはやってないんでしょ? だったら、ちょっとした風俗に来たと思っていればいいの。
少しの間お家には帰れないけど……大丈夫。悪いふうにはしないから、ね? 安心して、気持ちよくなってくれればいいから。
それじゃあ早速、始めましょうか。