2-1.一緒にお風呂
2-1
旦那様。お風呂、沸きました。いつでも大丈夫ですよ。
はい? ……いえ、今日も、お疲れでしょうし……旦那様がお先に、どうぞ。
いえいえ。そういうわけには……。この家の主(あるじ)は、あくまで旦那様ですから。
……ですが、そう言われてもですね、旦那様……。
……ふふっ。キリがないですね。
あ、そうだ。それだったら……
一緒に入る、というのはいかがでしょうか。
……なーんて。
……え?
……旦那様?
えっ、ええーーっ!?
* * *
……あの。旦那様。
狭く……ないでしょうか。重く……はないですか?
……そう、ですか……。よかったです。
…………。
あ……寄りかかっても、いいんですか? ……旦那様の、お胸に?
で、では……失礼して……背中を、お預けします……。
ん……。
……うぅ……。
そ、それは、恥ずかしいですよ……っ。だって……誰かと一緒に、お風呂に入るなんて……初めて……です、から……。
それは……その。確かに、旦那様には……私の裸、いっぱい見られて、ますけど……。それとこれとは、また、別なんです。……ベッドと、それ以外の場所は。
だから……あんまり、見ないようにしてください……。
え……? いえ、それは、別に……。嫌、というわけでは……。旦那様とだったら……嫌では、ないですけど……。
うぅ……。
旦那様は……恥ずかしく、ないんですか? 誰かと一緒に、お風呂なんて……。
……それとも、既に、経験がおありなんですか……?
……そういうわけではない?
そう、ですか。
でも……それにしては、恥ずかしくなさそうですね。男の人だと、あんまり、恥ずかしいとは思わないんでしょうか……。それとも、旦那様が堂々としているんでしょうか……。
……そうではなくて?
嬉しい、から……?
…………。
ん……。
……そうですね。
そう……かも、しれません。確かに……いつもより、お風呂が温かくて……。背中が、とっても安心して……。何だか、嬉しい、です……。
ふふ……。お風呂なんて、一人で入るものだと思ってたから……こんな気持ち、初めて、分かりました。
本当に……旦那様といると、新鮮なことばっかりです。
あったかい……です♪
……旦那様の体、やっぱり、とっても大きいですね。こうやって、背中を預けていると……よく分かります。
旦那様が大きいんじゃなくて、私が小柄だけなのかもしれないですけど……。
……早く、成長したいです。
そうすれば、きっと、旦那様と釣り合えるようになるのになぁって。胸を張って、おそばにいることができるようになるのかなぁって……いつも、思います。
……ありがとうございます。旦那様は、そう言ってくれますよね。旦那様が、本当にそう思ってくれている……ということは、もう、ちゃんと分かってます。
だけど……それでもやっぱり、気にはしてるんです。
しっかり、旦那様のお役に立てるようになりたいって。そのために……早く大きくなりたいって。そう思うんです。
ハーフエルフは……人間よりも、成長がゆっくりですから。旦那様の隣に立てるような、素敵な大人になるには……あと何年もかかっちゃいますね。
…………。
ぁ……旦那様……。
ん……。
ん……ちゅぅ……ちゅう、ちゅ……ちゅぅ、れろ、ん……ちゅぅ、ちゅうう……ちゅう、ちゅう……。
は、ぁ……。
旦那様……。
ん……。
え? あ……。それは……確かに。
大きくなったら……こんな風に、旦那様にすっぽり抱きしめてもらうことが、できなくなりますね……。
それは……少しだけ、残念かもしれない、ですね。
……旦那様も、私のこと、こうやって抱きしめるの……お好き、ですか?
……ふふっ。
そっか……。大きくなると、確かに……不都合なことも、色々ありますね。
旦那様から贈っていただいた服も、着られなくなりますし……。
……今のままでもいいことは、確かに、いっぱいありそうです。
……ありがとうございます。
慌てる必要は……ないのかな。
ふふっ。やっぱり……旦那様は、すごいです。
私の不安を……いつも、なくしてくれるんです。
いいえ。謙遜、しないでください。
だから……私は、旦那様のことが、大好きなんです。
ん……ちゅぅ……ちゅう、ちゅっ、ちゅぅう……れろ、んちゅぅ、ちゅぅう……ちゅうぅ……ちゅっ。
は、ぁ……♪
ふふ……♪
旦那様。
小柄な私を……もう少しだけ、抱きしめていてくださいね……♪