Track 3

2-1.一緒にお風呂

2-1  旦那様。お風呂、沸きました。いつでも大丈夫ですよ。  はい? ……いえ、今日も、お疲れでしょうし……旦那様がお先に、どうぞ。  いえいえ。そういうわけには……。この家の主(あるじ)は、あくまで旦那様ですから。  ……ですが、そう言われてもですね、旦那様……。  ……ふふっ。キリがないですね。  あ、そうだ。それだったら……  一緒に入る、というのはいかがでしょうか。  ……なーんて。  ……え?  ……旦那様?  えっ、ええーーっ!? * * *  ……あの。旦那様。  狭く……ないでしょうか。重く……はないですか?  ……そう、ですか……。よかったです。  …………。  あ……寄りかかっても、いいんですか? ……旦那様の、お胸に?  で、では……失礼して……背中を、お預けします……。  ん……。  ……うぅ……。  そ、それは、恥ずかしいですよ……っ。だって……誰かと一緒に、お風呂に入るなんて……初めて……です、から……。  それは……その。確かに、旦那様には……私の裸、いっぱい見られて、ますけど……。それとこれとは、また、別なんです。……ベッドと、それ以外の場所は。  だから……あんまり、見ないようにしてください……。  え……? いえ、それは、別に……。嫌、というわけでは……。旦那様とだったら……嫌では、ないですけど……。  うぅ……。  旦那様は……恥ずかしく、ないんですか? 誰かと一緒に、お風呂なんて……。  ……それとも、既に、経験がおありなんですか……?  ……そういうわけではない?  そう、ですか。  でも……それにしては、恥ずかしくなさそうですね。男の人だと、あんまり、恥ずかしいとは思わないんでしょうか……。それとも、旦那様が堂々としているんでしょうか……。  ……そうではなくて?  嬉しい、から……?  …………。  ん……。  ……そうですね。  そう……かも、しれません。確かに……いつもより、お風呂が温かくて……。背中が、とっても安心して……。何だか、嬉しい、です……。  ふふ……。お風呂なんて、一人で入るものだと思ってたから……こんな気持ち、初めて、分かりました。  本当に……旦那様といると、新鮮なことばっかりです。  あったかい……です♪  ……旦那様の体、やっぱり、とっても大きいですね。こうやって、背中を預けていると……よく分かります。  旦那様が大きいんじゃなくて、私が小柄だけなのかもしれないですけど……。  ……早く、成長したいです。  そうすれば、きっと、旦那様と釣り合えるようになるのになぁって。胸を張って、おそばにいることができるようになるのかなぁって……いつも、思います。  ……ありがとうございます。旦那様は、そう言ってくれますよね。旦那様が、本当にそう思ってくれている……ということは、もう、ちゃんと分かってます。  だけど……それでもやっぱり、気にはしてるんです。  しっかり、旦那様のお役に立てるようになりたいって。そのために……早く大きくなりたいって。そう思うんです。  ハーフエルフは……人間よりも、成長がゆっくりですから。旦那様の隣に立てるような、素敵な大人になるには……あと何年もかかっちゃいますね。  …………。  ぁ……旦那様……。  ん……。  ん……ちゅぅ……ちゅう、ちゅ……ちゅぅ、れろ、ん……ちゅぅ、ちゅうう……ちゅう、ちゅう……。  は、ぁ……。  旦那様……。  ん……。  え? あ……。それは……確かに。  大きくなったら……こんな風に、旦那様にすっぽり抱きしめてもらうことが、できなくなりますね……。  それは……少しだけ、残念かもしれない、ですね。  ……旦那様も、私のこと、こうやって抱きしめるの……お好き、ですか?  ……ふふっ。  そっか……。大きくなると、確かに……不都合なことも、色々ありますね。  旦那様から贈っていただいた服も、着られなくなりますし……。  ……今のままでもいいことは、確かに、いっぱいありそうです。  ……ありがとうございます。  慌てる必要は……ないのかな。  ふふっ。やっぱり……旦那様は、すごいです。  私の不安を……いつも、なくしてくれるんです。  いいえ。謙遜、しないでください。  だから……私は、旦那様のことが、大好きなんです。  ん……ちゅぅ……ちゅう、ちゅっ、ちゅぅう……れろ、んちゅぅ、ちゅぅう……ちゅうぅ……ちゅっ。  は、ぁ……♪  ふふ……♪  旦那様。  小柄な私を……もう少しだけ、抱きしめていてくださいね……♪