9-左の耳かき
さあ
今日はとこに行きましょうか
ぼんやりと足取りの向くままに
日中を辿って 大きな梅の木を目指しましょうか
コーヒーの香りのナップサック
絵の具を溶いたような空
微かに残った 思い出の香りを頼りに
昔歩いた道 毎日通った通学路
茶話をつづいて 子魚を追う友人が
夢中になって置き忘れてしまう ピンクの鍵盤ハーモニカ
こっそり 後ろでに拾って
どうやて渡そうか?
後ろて吹くと驚くでしょうか?
さく さく と 小気味よく
川べりの草の足跡は
日向を辿ってどこまでも こまでも
変わらない景色に 変わらない姿で浮かぶ
いつかの春のうたかた
タイムマシンがあったらいいのに と
そんなことも思いながら 今年の春も同じ道を
こう語ると もう その友人はいないみたいに聞こえますね
今も楽しいそうに
時より 茶話をつづいておりますよ
背は伸びでも 人の中身は変わりませんね
ころ ころ と
冬よりも幾分 空が軽く感じます
春は朗らかで 気持ちがいいですね
風か抜けますね
もう春何番が分かりませんか
はい
お疲れ様でした
どうぞ 仰向けに
"Credit goes to hana from Bahamut (Taiwan site) for the JP Script."
- Hayate